ダイヤモンド社 5,000円+税
第1章 大いなる可能性 − 1 第2章 大いなる可能性 − 2 第3章 事業部制の誕生 第4章 製品ポリシーの構築 第5章 失われた2年半 − 銅冷式エンジンの教訓 第6章 反映の礎 第7章 総力の結集 − 自動車ブームを迎えて 第8章 財務コントロールの強化 第9章 自動車市場の変貌 第10章 方針の立案 第11章 財務面での成長 第12章 自動車の進化 第13章 年次モデルチェンジ 第14章 技術スタッフ 第15章 スタイリング 第16章 流通問題とディーラー制度 第17章 GMAC 第18章 海外事業 第19章 多角化・非自動車分野への進出 第20章 国防への貢献 第21章 人事・労務 第22章 報奨制度 第23章 経済とは何か 第24章 変化と進歩
この本は経営書の最高傑作と賞されている。それは2つの意味を持っていると考える。
ひとつは自動車産業の草創期に書かれたことから、全く新しい商品を出した場合のマネジメントを教えてくれる。
ふたつ目は、分権化された組織をどのようにマネジメントしていくかが、ケーススタディとして書かれている。
ゼネラルモータース(GM)は、1908年にウィリアム・C・デュラントが、ビュイック・カンパニー・モーター・カンパニーを発展させてゼネラル・モーターズ・カンパニーを設立したことから始まった。
くしくもヘンリー・フォードが、T型フォードを発売した年でもあった。
デュラントは多彩な車種を生産したいと考えていた。GMを設立すると、ビュイックを始め、オールズ、オークランド、キャデラックと次から次に企業を買収していった。
しかし、GMはその負担に耐えられなくなり、デュラントはみずから設立したGMの経営権を2年で失うことになった。
以後、1915年までの5年間、投資銀行が経営の舵を取ることになる。
デュラントはルイ・シボレーと事業を行ない、シボレー・モーター・カンパニーの支配的経営権をテコに、GMの経営者として返り咲いた。
1918年にシボレーを買収し、企業買収を行なった。なお、1918〜9年は第一次世界大戦であった。
1920年に、GMは深刻な経営危機と不況に見舞われていた。ディラントはGMを追われ、ピエール・S・デュポンが社長に就任した。
著者のスローンは、減耗ベアリングの会社ハイアットを介して、GMに入った。
1923年にデュポンの推薦を受けて、筆者が社長に就任した。1956年に会長を退くまで、GMのトップに君臨してきた。
GMがフォードを抜いたのは、1924年から1926年にかけて、自動車市場が大きく変貌したのを理解したからである。
その変化とは、@割賦販売、A中古車の下取り、Bクローズド・ボディの登場、C年次のモデルチェンジ、である。
また、分散化された自律性の高い組織を統合する方法、つまり「事業部制を貫きながら全社の足並みを揃える」という課題があった。
全社が一体となって財務コントロールを行なえるようになって初めて、事業部制はその真価を発揮できる。
すなわち、事業効率を把握、評価する手段さえあれば、実務の遂行を各事業部に安心して委ねられるのだ。
その手段が財務コントロールである。
ROIという幅広い概念を各事業部の効率を測る尺度として用いるのである。
GMは主としてコスト、価格、台数、ROIに着目して財務コントロールを組み立てていた。
1980年代に入って、財務管理が批判されるようになった。それは後半にある長期的視点を忘れ、短期的視点に走ったためである。
ROIの戦略的な意味合いに触れておきたい。
私は何も、ROIがビジネスのあらゆる局面で活きる「魔法の杖」だと主張しているわけではない。
事業を継続するためには、時としてリターンを度外視して資金を投じなければならない。
価格は競争によって決まるため、結果的に、期待を下回るリターン、あるいは一時的にせよマイナスのリターンを受け入れざるを得ないケースも出てくるかもしれない。
インフレ時には資産の評価減といった問題にも直面する。
それでも私が知るかぎり、事業効率を判断するうえでROIほど優れた指標はない。
(中略)
とはいえ、重要なのはその時々の実績ではなく、長期間の平均ROIである。
この考えのもと、GMはROIを単に最大化することを目指した。
長期的な視点に立って、事業を十分に成長させながら、可能なかぎり高いROIを実現すべきだと考えたのである。(155ページ)
また、流通問題とディーラー制度では、下記のように書いている。
これは自動車事業のみならず、すべての製品にあてはまると考えられる。
ディーラーとメーカーは、事業に伴う通常のリスクに加えて、自動車事業に特有のリスクを負っている。
ディーラーは販売やサービスを目的とした施設に、メーカーは生産施設にそれぞれ投資するのだ。
後者には、技術開発コストや、毎年発生する高額の設備費などが含まれる。
ディーラーの命運は、どれだけ魅力ある製品をつくれるか、メーカーの命運はディーラーがどれだけ効率的に製品の販売、サービスを行なえるかに、それぞれかかっている。(316ページ)
ウォルター・P・クライスラーはGMに入り、ビュイックの社長兼ゼネラル・マネジャーを務めた。
ゼネラル・エグゼクティブに就任してから、自分の考えが受け入れられないと判ると、退社を決意した。
それがクライスラー社誕生の序曲となった。
家電製品担当のグループ・バイス・プレジデントのアーストン・P・ブリーチは、ヘンリー・フォードU世の目にとまった。
ブリーチは1946年にフォード・モーターを再興するという任務を引き受け、近代化後のフォードにGMの経営・財務手法を取り入れた。
トヨタ自動車の成長は、この本に負うことが多いと言われている。
逆に、この「GMとともに」を読めば、トヨタ自動車の経営が少し見えてきたように感じる。
(株)有斐閣 4,300円+税
第1章 アウトソーシングのジレンマ:問題の所在 第2章 分析の視点:これまでの研究と次なる問い 第3章 分析の進め方:枠組み、デザイン、データ 第4章 分析結果の全体像:定量分析の結果を中心に 第5章 分業の外的マネジメント:関係とやりとり 第6章 分業の内的マネジメント(1):内部組織のまとまり 第7章 分業の内的マネジメント(2):知識のマネジメント 第8章 ケース分析:日産のリバイバルプラン 第9章 結び:分析結果の意味と今後の研究課題
自動車産業研究者が自動車サプライヤー・システムの研究を通して、アウトソーシングの競争競争優位に対する影響力について考察した本です。
粗削りな内容ではあるが、先進的な視点で分析しているのがよくわかる。
1980年代の米国において、日本自動車産業のサプライヤー・システムの強みは、強い協力関係にあることを示した。
従来の考えでは、自動車会社と部品会社は部品価格を巡って競争関係にあると考えられていた。
例えば、インターネット調達のような競争入札の制度である。
同じように長期的な友好関係にある自動車会社と部品会社の間でも、効果的な分業とそうでない分業がある。
同じ部品会社に対してでもある。
この調査は、マツダ、日産自動車、トヨタ自動車、三菱自動車、本田技研の5社を比較検討することによって分析している。
本書は、複数の自動車メーカーと取引のある部品メーカーを選出して、同じ部品メーカーとつきあっている自動車メーカーの間でどうして差が生じるのかを解明していくというデザイン分析を進めている。
このデザインによって、部品メーカー側の条件は納入先に関係なく一定であるという想定が可能になり、自動車メーカー間の差の背景にある要因を自動車メーカー側に狙いを絞って探り出すことができる。(116ページ)
つまり、自動車メーカーの業務プロセスの強さを、部品メーカーのインタビューを通して評価していることになる。
ある種の仕組みや能力というものは時間をかけないと培うことができない。
実力あるプロジェクト・リーダーや経験豊かなエンジニアは、両方とも育てるのに時間がかかる。
社内の知識と学習の視点は、主に自動車メーカーの設計開発部門のエンジニアへのアンケート、インタビューを通じて集めた。
この調査によって、業務プロセスの強さが、社内の知識と学習の視点のどの部分に由来するものかを明らかにしている。
著者はこの調査により下記の見解を導き出している。
有効なアウトソーシングのあり方は決して特定の企業だけが享受できる特異、特殊なものではなく、日本の自動車メーカーの多くが実行し得るものであることをこの結果は示している。
にもかかわらず、ある企業はそうした仕組みや能力をより確実に身につけ、より着実にこなしているのに対して、他の企業はなかなか安定的に実行、発揮できない。
この差が結果の差を生み出しているということである。(104ページ)
現実の世界はおそらく両方の要因、メカニズムが働いている。
よその会社にできないユニークな強みがあって成功するケースもあるだろうし、他の企業にもできないことではない当たり前のことをより堅実にこなせるから成功する(失敗しない)という場合もあるだろう。(105ページ)
全社は本田技研を、後者はトヨタ自動車を表していると思った人もいたと思われる。
著者の想定外の考えを示すかも知れないが、私の意見を書く。
企業の競争力の源泉は、開発部門にあり、独自の競争ポジションを持っている。
競争ポジションを他社にマネされないために、開発部門に他社にマネできないトレード・オフの関係を持ち込んでいる。
それによって、他社にない強い特徴を持っていたり、逆に弱みも持っていることもある。
この調査では各社の強みを明らかにしているとともに、各社の弱みも明らかにしている。
分業とか協業は、自社の弱みを補う合うためにあるのもであり、必ずしも弱みがトレード・オフの結果とは考えにくい。
弱みを克服することによって、分業を超え、協業により大きな成果を生むことも考えられる。
著者はアメリカのジョン・F・ケネディ大統領の有名なスピーチをもじって、下記のように結論づけている。
分業のパートナーが何をしてくれるかを問うのではなく、パートナーの協力を得ながら自分自身が何ができるのかを問うべきなのである。(226ページ)
つまるところ、アウトソーシングを効率よく行なうには、自社の内的なマネジメント能力を向上させなければならないのである。
組織内の様々な調整を円滑に、迅速に、効率的に行なえるような仕組みを築き、人材を育成すること、あるいは広範囲にわたる知識をみずから創造し、維持管理していくことが重要になる。
第8章にケース分析として、日産リバイバルプランを取り上げている。
3−3−3プログラムは、サプライヤー、購買、技術開発の3者の連携、日本・アジア、北米、欧州・中近東・アフリカの3地域の連携を強化する3年間のプログラムである。
これによって、3年間で購入金額20%の削減を成し遂げ、日産リバイバルブラン成功の原動力になった。
部品会社への出資や人的な交流は重要でなく、社内組織の連携強化の重要性を示している。
ユニークだったのは職場のレイアウトの変更である。
日産の技術開発部門の総本山である厚木のテクニカルセンターに技術新棟という高層の建物がある。
購買はこの2階にオフィスを構えていたが、ここに車両3-3-3推進室が同居することになった。
この建物の中央部にサプライヤーからの来訪者が立ち入ることができるエリアがあり、それを購買が囲み、さらにその背後に3-3-3が控えているという構図である。
電子部品の購買担当者の後ろには電子担当の3-3-3メンバー、シートの購買担当者の後ろには3-3-3のシート担当者という具合にペアでレイアウトを組んだ。
「ミラー組織」と呼ばれる形態である。これで購買と3-3-3のコミュニケーションがよくなった。
例えば、電装品で100億円の原価低減目標があると、その3分の1はテクニカル原低に割り振られ、3-3-3組織が担当することになる。
この目標を達成するために、3-3-3推進室のエンジニアがまさに1対1(ミラー)関係で前後におく購買担当者と常に密接に連携していくのである。
同じ建物でも階が違えば交流は薄くなってしまう。同じ階ですぐ隣に位置するというのが大切だった。(212ページ)
著者は意識したかどうかはわからないが、顧客の視点がどのように社内プロセスに反映されているかをも見ることもできたと思われる。
たぶん、自動車会社の競争力がストレートで出過ぎることを懸念して止めたものと考えられる。
例えば、設計者が部品知識と統合知識の両方に詳しくとも、顧客の視点が弱いことも考えられる。
もちろん、コスト削減では品質を犠牲にしないことが重要である。
ゴーンもその点は強調している。これをどのように進めるかが実際には難しい。
1つの手立ては過剰品質を見直すことであった。スペックと品質評価の関係をみると、日産の技術者の評価曲線と、実際の顧客の評価曲線には乖離がある。
あるところまでスペックを上げると、日産の技術者や評論家の評価は高くなるが、市場での評価はそれほど上がらない。
逆にスペックをさげても、市場での評価はほとんど変化がない。こういうものはスペックダウンしても影響は小さい。
また他社に比べて評価基準が高いものもある。例えばヘッドランプの反射面のほこり(ゴミブツ)の品質基準を他社と比べると、日産は全車種で、競合他社の高級車よりも厳しいことがわかった。
これは過去に例えば一件でも市場クレームがあると、それが工場での限度見本となり、受け入れ検査基準となってしまうためである。
納品を拒否されてしまうサプライヤーは工程能力を上げないと対処できない。
しかし、これを他社なみに品質水準を見直したところ、即日全数納入が可能になった。(214ページ)
トヨタ自動車のグループ企業に対して、出資を増やし、人的交流を強化している。なぜだろうか。
私の個人的推論では、戦略に異なるからであろう。
トヨタ自動車では開発をよりグループ企業にアウトソーシングを出したいのであろう。
そのために、『見えざる手』のみならず『見える手』をグループ企業に行使したいものと考えられる。
資本関係を結んでいれば、役員クラスをはじめとして人材の交流も活発となり、自然と情報の交流も濃密なものとなりやすい。
競走上重要な部品については資本関係でつながった自社系列の部品メーカーを抱え、他の部品メーカーとも取引関係を結びながらも、これら系列部品メーカーと先行的に新しいタイプの部品や戦略車種向けの部品の開発生産に取り組んでいく、といったパターンはよくみられる。
上述のように、大手メーカーのトヨタと日産、さらに自社技術を重視する本田技研などが比較的多くの系列部品メーカーを抱えてきたのはそうした理由からであった。(112ページ)
成美文庫 524円+税
第1章 「成功法」を改善せよ 第2章 「自分原因説」をとろう 第3章 「頑張り」を増やすな 第4章 仕事に「昨日と同じ」はない 第5章 「もう一度」の力を信じよう 第6章 小さな達成を重視せよ 第7章 つねに先手でゆけ 第8章 「気持ち」が人を動かす 第9章 結び:分析結果の意味と今後の研究課題
著者はこの本の他に、トヨタ生産方式に関する多数の本を書いている。
この本のカバーに『もっと「仕事に育てられる」工夫をせよ!』と書かれている。
経営者や幹部が社員を育てる道標のような役割を持った本である。
別の言い方をすれば、社員の行動指針によって改善を行い、改善によって人を育て、育った人たち自身の手でその後の改善を推し進めていくことで、企業風土として定着させていく。
トヨタ流の改善は、まず考えさせることから始まる。(19ページ)
つまり、多少の時間はかかるが、試行錯誤を行ない「答えは自分で見つける」を重視する。
スポーツの世界を引用して、下記のように説明している。
スポーツの集団競技でも、最近は「自立と自律」という言葉をよく耳にする。
モノが売れない原因は、売る側の論理を優先させ、お客様の視点に欠けるためである。これが「自分原因説」である。
監督やコーチに命じられるままに練習をしているようでは限界がある。
基本的な練習メニューをもとに、自分で考え、自分で行動するようでないと、本当の強さは身につかないらしい。
といって、手を抜いたり、わがまま勝手をするようでもダメで、自立しつつ、みずからを律していく力が必要という。(40〜1ページ) トヨタ流は、お客様にもっとも近いところから改善を始めていく。
たとえば在庫をもたずに、お客さまに早くいいモノが届けられる方法を考える。
在庫をたくさん持っていれば、注文にすぐに応えられるが、ムダな在庫は価格を引き上げる要因にもなるため、リードタイムを短くすることが課題になってくる。(56ページ)
トヨタ生産方式では、問題が発生したとき、なぜを5回繰り返して、真因を見つけ出す。
それだけでなく、思わぬ成功したときも、なぜを繰り返し、成功の因果関係を求める。
発生した問題を解決しているだけでは、企業も人もは大きく成長することはない。成功を追い求めるから、成長することができる。
たとえ偶然であれ、成功したときに、「なぜ成功したのか」をとことん追求する。
そうすれば、成功に至るプロセスが見えてくる。
成功に至るプロセスがつかめれば、その成功は一過性に終わらず、何度でも再現できるというのがトヨタ流の考え方だ。(76〜7ページ)
「同じ失敗を繰り返すな」はよく言われるが、「同じ成功を繰り返すな」も重要である。
長い期間にわたって売れている商品やサービスは、お客様に合わせ、少しずつ変えていると言われている。
「つづけろ」「我慢しろ」というと、決めたことを頑なに守るものと誤解する人がいる。
どれほどいいものであっても、時代によって微調整は必要になる。微調整しないと、せっかくいいものも時代に合わなくなってくる。
トヨタ生産方式も日々改善を重ねているからこそ、今も最強のモノづくりでありつづける。
何か新しいことを行なおうと思ったら失敗はつきものだ。改善したことが改悪になることもある。
しかし、もとに戻すことはしない。改善が改悪になったら、もう一度改善をする。
いいと思ったならつづける我慢強さ。少しずつの微調整。これがポイントだ。(169ページ) 「失敗」という言葉は同じでも、挑戦の結果の失敗、なにもしないことによる失敗、ただの不注意による失敗と、いくつもの種類がある。
前者は許されるが、あとのふたつは許されない。許される失敗なら1度や2度でへこたれてはいけない。
どんどん挑戦しつづけて闘う力を鍛えるべきだ。(149ページ)
そして、フォローアップも重要である。
ものごとは分らないまま、あいまいなままにしておいては決して前に進まない。
フォローアップの習慣を身につける必要がある。(179ページ)
目の前の仕事をこなすのに汲々としていてはダメで、相手が求める一歩先、ひとつ上をみて仕事をしなければならない。
まず、企業の置かれている状況が見え、将来ビジョンがはっきりしていれば、人は頑張れる。
トップの「大変だぁ」というかけ声から生まれる危機感と、企業の状況を社員にすべて見えるようにしたうえで、社員自身が「なんとかしなくては」と感じる危機感では、種類がちがう。
多くの経営者の方は、「話さずとも分かる」と過信しているのではなかろうか。
トヨタは「つねに危機感を抱いている」とよく言われる。
ここでの危機感は、かけ声だけの危機感ではない。
トヨタ流の危機感はなにが問題化が見えているからこそ生まれる「健全な危機感」だ。
だからこそ自立する心も生まれる。(195ページ) 人と話をするのが苦手な人がいる。
「話さなくても分るだろう」と考えがちな人、大切な話しでもなんでもメールで片付けようとする人も少なくない。
だが、人はそれほどもの分りがよくはない。
自分がやりたいことがあり、それを分ってもらいたいなら、相手の目を見て、「納得したな」と分るまで話す習慣をつけることだ。(223ページ)
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第1章 デザインとは 第2章 商品(クルマ)つくりとデザイン 第3章 デザイン・マネジメントの第一段階:デザイナーの育成 第4章 デザイン・マネジメントの第二段階:デザイナーの活用 第5章 デザイン・マネジメントの第三段階:ブランド形成戦略 第6章 デザイン・マネジメントの第四段階:デザイン・マネジメントによる経営 結章 デザイン・マインドとデザイン・マネジメントの本質 付章1 経営戦略とデザイン・マネジメント 付章2 「戦略的経営資源」としてのデザインとそのマネジメント
著者は1964年に本田技研工業(株)に入社して、以来30数年、自動車のデザインおよび商品開発に携わってきた。
今日、成功している企業の多くは、デザイン力を重視している。
デザインの持つ威力は、企業経営にとって重要である。
デザインは、「製品に装飾を施し、すこしでも高く売るための手法」ではなく、ものつくりの重要な一部を占めている。
デザインとは商品そのものであり、言い換えれば「企業の顔」である。
つまり、社会や人々の欲求に対するメッセージを、製品を介して伝えることである。
そのためには、こころ(商品企画の意図)とおもて(デザイン)は同体でなくてはならない。“かたち”は“こころ”ということである。
デザインは「形態の美しさ」という意味ばかりではなく、「人に良く思われ、良く言われる」場合の欠くべかざる要素である。
つまり、お客さまのこころを動かす「らしさ」と「かっこ良さ」が必要なのである。
クルマが「商品」である限り、エンジン性能や乗り心地は良くて当然であり、真の価値を定める基準は、そうした実用的価値に加えて感覚的価値にも置かれている。
機械的な耐久性とともに、美的耐久性(普遍性)を兼ね備えているものが「飽きの来ない」という意味で、長期間の実用に耐えられると言えるだろう。(956〜ページ)
デザインの決めては、「マーケット・イン」と「プロダクト・アウト」のバランスをとることである。
そのための鍵は、世の中の動きや人の心をいかに感度良く知り抜くことができるかどうかなのである。
世の中のニーズに敏感でなくてはならない。
情報化社会の消費者が、クルマに求めるものは決して高性能でも高機能でもない。
現在の自分の生活や将来の理想の生活、それに適合しその実現のために最適なクルマを求めるようになったのである。
デザイナーが能力を磨くには、まず「手」を動かすことが最大の学習方法になる。
つまり、五感すべてを使って、デザインしなくてはいけない。
すなわち「なすことによって学ぶ(learning by doing)」ということが重要だと主張している。
デザインのものつくりの重要な一部分と書いた。
それを実現するためには、デザイン部門を高い位置に置き製品開発を進めることである。
製品開発の初めからデザイナーに入ってもらうことによって、インテグリティ(統一したイメージのある)製品を開発することができる。
具体的には、開発の初期にクルマのコンセプトを決める。
デザイナーによって、このコンセプトが可視化できるようになり、それを組織全体へ吹き込むからである。
デザイン開発の下記のような逸話も載っている。
一方、クルマ自体が発する気配(雰囲気)をどのようなものにするかで開発チームは悩んだ。
デザインの途中で、ロスアンゼルスにある研究所・HRAに頼んで送ってもらった1枚の小さな写真が効果的に使われた。
ロスアンゼルス郊外の高級住宅地、パロスベルデスの丘の上から、紅い瓦屋根と白い壁のスペイン風の家越しに太平洋を撮影した写真である。
この写真が2×5mに引き伸ばされ、ベニア板でつくったつい立に貼り付けられて、1/1クレーモデルの背景として用いられた。
後方にセットされた風景に似合うようなモデルになるように、開発チームのメンバーは、大きな風景写真の前で多くの時間を過ごし、そこからイメージを膨らませていった。
(94ページ)
自動車関連の本の紹介(目次),
1989年以前,
1990年から93年,
1994から95年,
1995から97年,
1998年,
1999年,
U,
2000年T,
U,
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V,
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U,
V,
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