生産管理講座

インターネット



B to Bの手段としてのインターネット


 自動車メーカーを含めた企業がB2Bでインターネットの使用として、次の3点がある。

イントラネット(intranet)
 企業内(intra)の情報システムに(例えば社内LAN)にインターネット技術のTCP/IPやWWWなどを採用したもの。 社外に社内の秘密情報等の流通を防ぐため、ファイヤー・ウォールが設けられるが、その内側をイントラネット、外側をインターネットとして区別する。 イントラネットは従来の企業情報システムに比べ、

  1. 必要な部門で、必要な時に、必要なだけシステムを増強できる。
  2. 使用者にとって効果的なシステムを設定できる。
  3. 業務トシステムを関連づけて教育が行える。
の3つのメリットがある。
 イントラネットの効果的な使用方法の中心は、各人が協業して知識創造できるグループウェアである。 グループウェアには電子メールの同報や社内掲示板がある。
 また、社内ホームページの利用目的は、業務マニュアルの明文化と、商品/マーケット情報の共有が多い。

エクストラネット

 企業内のネットワークに主要取引先や利益関係者を含めた間のネットワークを、エクストラネットと呼ぶ。 一般的に最も多い形態は、エクストラネット利用者にIDとパスワードを付与し、これによってネット外の第三者の不正利用を防止したものである。 更に、不正アクセスに対策を講じたのが、下記のVPNである。

VPNを活用した米国自動車産業界の事例

 米国自動車業界では、部品供給会社と自動車メーカー(ビッグ3)の間のエクストラネットをANX(Automotive Network eXchang)と呼ばれる企業間ネットワークでインターネット上に構築しようとしている。 これによって現在サプライチェーンの末端まで情報が届くのに4〜6週間かかっていたのを4日まで迅速化できるとしている。 ネットワークにはIPSecを導入した相互接続性の高いVPN(Virtual Private Network)を導入してセキュリティを高め、またオープンな標準プロトコルとなったIPのネットワークによってハードウエアやソフトウェアのコストを削減し、エクストラネットとしての取引先の取り込みや全体の生産性の向上を目指している。
 日本でもANXの過剰品質的な使用を、国際接続に障害とならない程度ダウングレードし、低コスト化したJNX(Japan automotive Network eXchange)を開発している。 2000年10月に本番稼動した。 韓国ではKNX、ヨーロッパではENXと呼んでいる。

 当初、GMはコマース・ワンと提携しTradeXchang、フォードはCisco System Inc.sと提携しAutoXchangeの事業を立ち上げる予定であった。 しかし、GM、フォード、ダイムラークライスラーが共同して、COVISINT を設立した。 ANX/JNXはデータを流すインフラであり、このインフラの上を流れるアプリケーションプログラムを作成する会社がCOVISINTである。 日本の場合は、JNXの上を流れるアプリケーションプログラムは、自動車会社が各自で作成する。

ファイアウォール

 社内のイントラネットと外部のインターネットを仕切る電子上の壁である。 外部に対しては、社内ネットワークへの不正侵入を防ぐために、フィアーウォールシステムが採用されている。 内部に対しては、社員がインターネット上のホームページにアクセスしたか、また、送った電子メールが記録される。 仕事中にインターネットのポルノを見ていたとか、電子メールで秘密漏洩したかがチェックされる。 ファイアウォールシステムには、電子メールに特定の語句が含まれるものを選別するソフトを組み込むことができる。

 ファイアウォールを構築する方法には大きく分けて、

がある。

パケット・フィルタリング方式
 パケット・フィルタリング方式では、通過するパケットの発信元アドレスと着信先アドレスを基準にしてセキュリティ・ルータが当該パケットを通すか否かの判断を行う。 具体的には、通過するパケットの発信元IPアドレスと着信元IPアドレスを常時監視し、企業内LANに対する不正な侵入や利用を防止する。  しかし、セキュリティ・サーバがどのパケットを通過させるのか否かを判断するためには、どの種のパケットを通過させ、どの種のパケットを通さないかを判断するフィルタリング・テーブルをあらかじめルータに設定しておく必要がある。 接続する企業内LANが複雑になるにつれてフィルタリング・テーブルが複雑になり更新も大変である。


電子メール


 電子メールの利点は、下記である。

  1. 自分の時間で仕事ができる(相手の都合の良い時に処理される)
  2. 一度に大勢の人へ連絡できる(同報機能)
  3. 受送信したメールが記録される(転送や他のソフトで使用できる)

 また、、文書化することによって内容が吟味され、曖昧さが減るメリットもある。
 しかし、第三者からの不正なアクセスを防止するために、暗号鍵等が使用される。

暗号鍵
 通信路のデータやファイル内の蓄積データなどの情報を入手されても、情報を表す文字やデータを第三者に理解できなくするための技術である。
この2つを目的としている。
暗号には以下の2つがある。 インターネット等の通信で使われる暗号はサイファーを指す。
暗号として古いものとしてシーザー暗号が知られている。 例えば、アルファベットではa,b,cの文字を2つずらしてc,d,eのように変換する。 この文字をずらすというのがアルゴリズムであり、2が鍵となる。
送信者は暗号アルゴニズムと暗号鍵を使って、通信文を暗号化し、インターネット等を使って送信する。 これを受け取った受信者は、送信者と同じアルゴニズムと鍵を使ってもとの文章に復元する。 これを復号と呼ぶ。
現在、ビジネス界で行われている暗号は、アルゴニズムを公開しても、鍵さえ秘密を保てば安全性が確保できる。
このようなアルゴニズム公開型鍵には次の2つがある。 公開鍵暗号は1対1に対応する2種類の異なる鍵がある。一方をみんなに公開して、文章を送信してもらう時に、暗号化に使用してもらう。 復号鍵は公開した暗号化鍵からは推定できないので、受信者が秘密で保管する。 ただ公開鍵を使うと暗号化と復号に処理時間が掛かるので、一般の文章には共通鍵暗号を使用し、共通鍵の送信には公開鍵を使用することが多い。
また、公開鍵を逆に使用することで電子押印(デジテル署名)に用いることができる。

ネチケット
 インターネットのネットとエチケットを結び付けた言葉で、ネットワーク社会で守るべきエチケットを示している。
このネチケットについて書かれたページが下記である。


ホームページ


 企業がホームページを持つ理由としては下記が考えられる。


 インターネットが普及し始めた頃、多くの企業ではインターネットを使って何ができるかを模索し始めた。 最初に考え付いたのが、新卒者を中心としたリクルート、社員募集であっただろう。 新聞社等がリクルート用のホームページを作り、その中へ企業紹介とリクルートのページを設けた企業も多い。 未だにリクルート用のホームページのみという企業もある。
 IBM等のコンピュータ関連企業では、早い時期からリクルート関係の資料請求から履歴書の送付まで電子メールで行っていた。 この傾向はマツダ等のコンピュータ関連企業以外にも広がっている。

 その後、電気メーカー中心だった企業紹介のホームページも、他の業界にも広がってきた。 ホームページを持たなければ、上場企業として恥ずかしいといった横並び意識からホームページを持つ企業も少なくない。 最近では中小企業でもホームページを持つ企業も増えている。

 販売目的といってもインターネットのみのピュアーな業者の不振が伝えられている。 “クリック&モルタル”とか“クリック&ブリック”のような実際の大型店舗を持った業者が、ホームページで販売を強化し、元気が良い。
 また、BTO(build to Order)においても、消費者が自由にデザインできるといっても、悲しいことに消費者にはデザイン能力がない。 結局、店舗にてデザインの良いものを選んでもらい、その中から選ぶ方が良いようである。

EDI(Electronic Data Interchange)
 各企業間での取り決めにしたがって商取引に関する各種データを電子化し、標準化された形でコンピュータネットワークを介してデータを交換する仕組み。 通信プロトコルやビジネス上のフォーマット、業務運用上の規約、取引に関する規約を標準化して決めている。 規約の標準として、国際標準のEDIFACTや日本のCII標準がある。

製造業の中でも、電子機器業界は調達リードタイムの短縮や受発注処理の合理化を目的に、EDIに対して早くから取組んだ業界である。 各企業独自のEDIから、業界標準EDIへの取り組みも、他業界の先陣を切って1986年頃より、発注者である部品メーカーにより行われた。 1989年にはEIAJ(日本電子機器工業会)標準1Aを制定した。それ以降、1997年のEIAJ標準2Eまで改定を重ねている。
EIAJでは、EDIデータ交換規約の設定だけでなく、標準納品書・標準納品荷札の制定も行い、発注者指定伝票からの切り替えを推進しており、大手セットメーカーを中心に標準納品書へ移行する企業が増加する傾向にある。 これにより、受注者側の納品書作成処理の効率化に貢献している。

しかし、自動車業界の場合には、実質海外企業の傘下に入った企業が多く、日本独自の業界標準EDIの制定は非常に難しいと考える。

インターネットEDI
 インターネットというオープンなネットワークを利用してEDIメッセージをやりとりする方法で、EDIファイルをファイル転送する形態と電子メールでEDI情報のやりとりを行う形態、EDIメッセージをHTML形式でWWWサーバーとやりとりする形態がある。 ファイル転送にはFTP、メール転送にはSMTP、WWWにはHTTPといったインターネットの汎用プロトコルが仕様されるため、特別なパッケージソフトを購入しなくても安価に端末設備が容易できる。

IPSec(IP Security Protocol)
 IPSecはインターネットでのセキュリティ標準プロトコルで、IPデータのカプセル化や暗号化、認証データの組み込み方を規程している。 この標準手順を使った暗号化とカプセル化によって、特定のIPアドレスを持つデータだけを安全にインターネット上に通過させることが実現できる。 また、ユーザー認証の仕組みによって、第三者の不正アクセスや盗聴、データの改ざんが防げ、セキュリティを強化できる。 IPSecを利用して、インターネット上で仮想的な専用線網を企業が構築したり、異なる企業間のネットワーク相互接続も可能となる。機密性の高いデータのやりとりをする電子商取引もIPSecによる安全性の高まったオープンなネットワーク上でさらに発展すると思われる。

インターネットVPN(Virtual Private Network)
 インターネット上でセキュリティを確保し、仮想的に構築した理論的な網で、特定ユーザーのみが専用に使えるネットワーク(VPN)として利用できるのがインターネットVPNである。 特定のIPアドレスを持つデータだけを通過させるトンネリング機能とデータを暗号化する機能、ユーザー認証機能、アクセス権の制御機能の技術を備えて実現する。 これによって、離れた拠点間を結ぶ社内イントラネットを短期で構築したり、特定の取引先も入れた拡張性の高い企業間ネットワークであるエクストラネットを経済的でかつ安全に構築することができる。 また、VPN上でEDIメッセージを安全にやりとりすることも可能となり、インターネットEDIのプラットホームとしても期待が高い。

XML(eXtensible Markup Language)
 XMLとは、SGML(Standard Generalized Markup Language)をより平易にした汎用性のあるデータ記述言語である。 SGMLとは、CALSの中で当時互換性のなかった電子文書を、どのコンピュータの環境でも保管が可能で、互換性を持たせるために開発された言語である。 しかし、SGMLの技術仕様が複雑であったため、一部の業界で利用されているにとどまっていた。 SGMLをインターネット用に簡便にしたのがHTMLである。 ただHTMLは、画面表示を中心としてきた言語であり、アプリケーションとの連携に適していなかった。 XMLはSGMLの機能とHTMLの簡便性を持つた言語である。

 XMLは、さまざまな目的に利用できることからメリットが多い。 XMLを使えば、データベースやウェブサイト間で、重大な記述情報を失うことなくデータを転送できる。 ウェブサイドを訪れた人すべてに同じページを表示するのではなく、データの外観を自動的にカスタマイズしてくれる。 また、検索エンジンは、膨大なテキストではなく、的確なタグの中から検索できるため効率も上がる。
 最近の日本でもXMLを利用したEDIの研究が進められている。 電子機器業界のRosetta Net(ロゼッタネット)の活動も、そのひとつである。
XMLでは、ウェブサイドで複雑なコード設定が使えるため、企業は情報のフローを統合しやすくなる。 ある企業が別の企業に商品やサービスを売る場合、価格や条件、仕様、納期など、大量の情報を交換する必要性が生じる。 1つのものをあらゆるものに適用させるという性質を持つHTMLでは、インターネット上でこのような情報を交換するのは、不可能と言わないまでも難しい。 このような時、XMLならば必要な情報はすべて電子データとして共有できるため、人間が介入しなくても複雑な取引を完了させられる。
 従来のシステムでは、コンピュータシステムのメインテナンスが必ず必要であった。 XMLを利用したEDI、XML/EDIは、コンピュータの専門家が社内にいないような企業やFAX、電話を利用している企業が、EDIを利用できるような環境を整備するための情報技術であると思われる。
 例えば、ASP(Application Service Provider) がXML/EDIのソフトウェアパッケージを中小メーカーや小売業にインターネットを通じて販売し、ソフトウェアのメインテナンスもインターネットを通じてサポートできる環境が整えば、これまでシステムに縁がなかった企業へもEDI導入が進むのではなかろうか。
 このようなXML/EDIの導入を進めるためには、シンプルなEDIメッセージと開発しやすいXML標準の開発、低価格なASPインフラの構築と課金体系の整備、加えてユーザーの使いやすさが、今まで以上に求められよう。

参考ホームページ

アプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)事業
 アプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)事業は、インターネットを活用したコンピュータのアウトソーシング事業である。 従来、中小企業向けに販売していた生産・会計・販売ソフトをネットワーク上で期間貸しする事業である。 例えば、、経理サービスではサービスを受ける企業は、経理伝票をインターネットを利用し、ASP事業者に送る。 ASP事業者は顧客から送られてきた伝票を仕分けし、決算書や経営資料を作成し、インターネットで情報を入手できるというものである。
 最近では業務内容も拡大し、中小企業の資材手配等の生産管理業務をもできるようになった。 資材調達オークションサービスや資材調達BtoBサービスなどを行っている。

 大企業向けにはASP事業をイントラネットで展開するソフトウェアも販売されている。 (株)NTTデータ イントラマートが有名である。


自動車産業における情報技術の活用


 自動車会社の部品手配等の業務でインターネット等の情報技術を活用した例がある。

  1. 自動車のインターネット販売
  2. 自動車の中古部品販売
  3. 中古車のオート・オークション
自動車のインターネット販売については、スペシャル・レポートを参考にして下さい。

 自動車の中古部品販売は、事業としては10数年前から存在していた。中古部品販売業は自動車の解体業者が兼ねていることが多い。 解体車からまだ使えそうな部品を取り、保管し販売していた。しかし、自動車会怠業者は比較的小規模の業者が多いため、自動車修理工場等で必要とする部品の品揃えができなかった。 そのため、アジアを中心とした日本メーカーが現地生産している国の業者が、自国で生産しているモデルの部品を買い求めることが多かった。 しかし、インターネット等の情報技術の発達によって、これらの零細な中古部品販売業者が、連携することによって中古部品の品揃えを充実させることができた。 これによって中古部品販売業が成立した。主な業者は下記のとおりである。 なお、日産自動車は中古部品を日産グリーンパーツとして新しい部品の半額程の価格で販売している。

 中古車のオート・オークションは『オークネット』が有名である。 『オークネット』は、衛星回線を利用したTVオークションシステムであり、四輪中古車ビジネスに新しいビジネスモデルを創出した。
(株)ビーディエスが運営する『BDSスーパーマルチオークションシステム』は、二輪車や花市場のせりにも使われている。 これはネットワーク回線を地上回線(ISN64)と衛星回線を使い分けて使用している。 クルマ等の出展情報(画像情報)はデータ量がおおいので、多量のデータを電送できる衛星回線を利用する。 しかし、衛星回線はレスポンス(応答時間)が遅れるという欠点がある。そのために価格情報、応札情報にはレスポンスの早い地上回線を使用している。 それによって、オークション会場にいる人と同じように、端末の前でオークションが行える。

参考ホームページ


インターネットによる新ビジネス MP3


最近のインターネットによる新ビジネスとして、デジタル音楽配信のソフトMP3((MPEG−1 Audio LayerV)がある。 デジタル方式の音楽であるので、何度もコピーしても音質が劣化しない。 最近、このインターネット音楽配信対応の携帯オーディオが発売された。 携帯してもテープの回転が変わったりすることがなく、音程が安定している。 このように次世代音楽流通の主役と期待されているが、著作権問題もでてきている。

参考ホームページ

参考文献



Mail


生産管理概論, IE(industrialEngineering), トヨタ生産方式, VE/VA, セル生産方式, TOC(制約条件の理論), 品質管理, QCサークルについて, 総合的品質管理(TQM), 統計的品質管理(SQC), ISO9000シリーズについて, ISO14000シリーズについて シックスシグマ手法について, 自動車の品質問題の変遷について, 設備管理とTPM, レイアウト管理, 生産計画の立て方, 資材手配, 資材手配の実際, 在庫管理, 購買管理, 財務分析, 原価企画, 情報システム, インターネット, 人事管理概論, 人事考査, 人的資源管理, リーダーシップ論, 組織論, ナレッジ・マネジメント, コーチング, 安全管理, Q & A

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