生産管理講座

Q & A



Q:
経済発注量がどうもうまく理解できません。 当社は、季節要因がとても多くどの計算式も当てはまらないと思うのですが、 何かいい方法があれば教えて下さい。


経済発注量は生産管理や資材手配の教科書に計算式が掲載しています。 部品の手配費用と管理費用の合計額が最低となった時点を経済発注量とする。 季節要因がとても多いという面から考えれば、忙繁期の経済発注量は問題ないものと思います。 ただ、閑散期の経済発注量を求めると、1ヶ月、2ヶ月の部品を一度に入れてしまうことになり、これを問題にしているものと考えられる。 ジャスト・イン・タイムの趣旨を尊重し、1週間分とか2週間分のように期間を決めてしまう。 この場合には、計算上は手配費用と管理費用の合計は最低にはならないが、長期間手配のない部品は管理上でも問題が生じやすい。


Q: 営業部の販売計画は、ほとんどあたりません。 そんな時皆さんは、どのようにして生産計画をたてているのですか? 教えてください。


 第一段階として、自社製品の属する商品グループの総需要を算出する。
総需要の算出の仕方には回帰式を使用して、総需要の傾向を出す。 総需要の傾向には右肩上がりの曲線と、循環して波を打つ形がある。
 例えば、日本の自動車需要は1960年代から1980年代にかけてモータリゼーションにあり、右肩上がりに増えていった時期があった。 この時期は、景気の善し悪しによって需要の伸びが変化するだけで、回帰曲線等によって需要が予測できた時代であり、需要予測も比較的当った時代である。 自動車需要は、1980年代に循環型の需要の傾向を示すようになったものと考えられる。 ただ、バブルによる異常に加熱した経済と、消費税の導入と物品税の廃止による自動車価格の低下によって、自動車需要が大幅に増加した。 そのため、循環型の自動車需要の傾向は1990年代に明確になった。
 自動車等の高額な耐久消費財は、不況時には買い替えサイクルを容易に延期しやすい商品である。 そのため不況期には買い替え件数が減り、自動車の総需要も減ってしまう。 不況期から好景気に変化した時は、不況期の買い控えの反動もあり、好景気時の需要台数は大きく増加するのである。

 日本の場合には、1990年代初めにバブル経済下での販売増加の反動を受けて減少した。 そして、1995年頃に需要のピークがあり、その後の1990年後半はまた需要が低下した。 自動車の使用年数は10年を越えたと言われている。 そのため、自動車の中古車で売り、買い換える人たちは5年程度で買い換えると言われている。。 また、乗り潰して買い換える人たちは10年程度使用してから、乗り換えると言われている。 そのため、5〜6年の景気変動と、自動車の耐久年数があって5年程度の周期で自動車需要が循環するという状況が続いている。

 このような需要循環によって基本の総需要を予測する。 ここで算出した総需要に対して、景気の状況、新製品の投入状況等の個別要因をプラス・マイナスすることによって総需要を算出する。 景気はGNP等で表されるが、個人消費に対する影響はマチマチであり、自動車購買世帯の可処分所得への影響も異なる。
自動車は設備投資が多く掛る商品であり、消費者が購買できるモデルは限りがある。 そのため、同じ経済状況でも消費者の自動車に対する購買意欲は異なっている。 また、ガソリン価格等の維持費の増減によって、購買される自動車のエンジン排気量や大きさに変化を与える。

 第二段階として、自社製品がどのくらいの商品力を持ち、上記の総需要の中でどの程度のシェアーをとれるかを算出する。
一般的に、企業の持つシェアというものは変化しにくい。 シェア拡大を図ろうとすれば、当然シェアを失う会社が出てくる。 このような競合メーカーが対抗策として、低価格政策等の政策を取ってくるからである。

 第三段階として、総需要に自社製品のシェアを掛け合わせて販売計画を立てる。
この時には、自社製品に対する過剰評価が発生しやすい。 また、工場が量産を前提としたコスト構造をしているため、実力以上の販売計画を立てて、業績を悪化させる企業もある。
いずれにしても販売計画が正確に当たることは少ないので、販売計画を細かく修正して、売れるモノ・売れたモノをきちっと生産する体制を作る必要がある。

 今までにソニーのウォークマンに見られる全く新しい商品には、上記の需要予測は全く利用できない。 消費者が不便に感じる点、苦労している点をいかに解決してくれる商品である。 そして、その商品を購入してくれると考えている標的消費者層を明確にする。 例えば、ホンダのティップワゴンのように『子どもといっしょにどこ行こう』のCMのキャッチコピーのようにである。 その標的消費者層の総数を算出する。その中を購入時期によって革新者、前期採用者、後期採用者等に分類することによってライフサイクルとしての需要を予測する。
 全くの新商品でなくとも、成長する商品、シェアーを増加させる商品は、ある種の新規性を持っている商品である。 逆に、販売予測が比較的当る製品は成熟期から衰退期にある製品である。 しかし、成熟期から衰退期にある商品でも、革新的な技術によって競争の激しい成長商品に生まれ変わることがある。 この時には、シェアーは大々的に入れ替わることが多い。
 例えば、衰退期にあると言われていた軽自動車が、1979年にスズキのアルトによって、一家に1台のクルマとしては衰退期であったが、2台目のクルマとして成長商品として生まれ変わった。 同様に、オフロードを走る4WD車が、街中で乗るオンロードのクルマと需要を伸ばしていった。
 つまり、売れる商品とは新規性があり、競合他社と差別化されていることが必要である。 このような新規性のある商品は、最初は新規性ゆえにあまり売れない。 その後、すこしずつ商品の良さが認知され、販売台数が増加していくのである。 これと対照的に発売当初から爆発的に売れ、その後急激に販売台数を減らすタイプのクルマもある。 このタイプのクルマとしては、スポーツカータイプのクルマがある。 上記2タイプの需要パタンの中間のパターンを合わせて、この3パターンが代表的なライフサイクル需要パターンである。

 いずれにしても『売れる商品を解決する』『売れた商品をうまく生産する』ことが重要となる。 とはいっても、需要予測は行わなくてはならない。 ただひとつの需要予測だけを行うのではなく、楽観的、悲観的等の需要予測を作成し、アクションプランを考慮しておく必要がある。 と同時に、ローリングプランで定期的に需要予測と生産計画を見直す必要がある。

 なお、アメリカでは、第一次・第二次石油ショックの時代から、自動車需要の循環が始まった。 ヨーロッパでは、1980年代頃より自動車需要の循環傾向がみられる。 但し、排気ガス規制等の影響があり、きれいな需要循環にはなっていない。
 日本の普通トラックは過積載規制、排ガス規制等による需要のピークがあり、周期的な循環需要になってはいないが、循環需要の形になっている。


Q: 一般的な自動車雑誌は色々紹介されているのですが、ビジネスに使う自動車雑誌はありませんか?


自動車産業に関する資料で最も一般的なものは、 日本自動車工業会 の資料が有名です。
日刊自動車新聞で有名な 日刊自動車新聞社 , 刊行物案内 がある。
日本で販売されているクルマ全てが見られるのが、“自動車ガイドブック”であり、モーターショウの公式ガイドブックにもなっている。 日本の自動車産業の調査会社で有名な (株)フォーイン である。 海外のニュースで有名なのが、 Crain Comunications Inc. がある。 アメリカの自動車統計レポートが主であるが、自動車ニュースの掲載が多い Ward's Comunications , Pubulications がある。 なお、自動車関係資料は (社)自動車工業振興会 自動車図書館 が便利です。

Q:
直行率を上げるポイントを教えて下さい?


1.現状調査
2.現状の分析
3.対策案の作成

4.効果の確定
5.水平展開と歯止め



Q: 見込み生産から受注生産へと変えようとしていますが、
重要項目、注意ポイント等ありましたら、教えてください。



見込み生産から受注生産への移行についての注意点としては次の事柄が考えられます。

  1. そもそも生産能力があるのか。
     生産変動が激しく、生産量の変動が大きい場合には、変動の大きな日の生産量をこなせるのかという問題。 生産量をこなせない日があるということは、生産量を確保できない日があることを表している。 このような日には、受注が確実な製品を生産する等、見込み生産を一部残すことも必要であろう。

  2. 多品種少量生産への対応
     生産品目が多い場合、受注した全品目について生産しなくてはならない。そのために段取り替え時間の短縮を行わなくてはならない。 同様に、部品や仕掛り品の保管場所や保管ルールを決め、生産品目変更をすみやかに行う必要がある。 生産工程が複数に分かれている場合、後工程に作業の無い場合、前工程が見込み生産を行う事が多い。 そのために、生産工程の工程バランスをとる必要がある。

  3. 資材手配への対応
     受注した全品目を生産するため、部品や仕掛品の在庫管理を日々行わなくてはならない。 そのため、同時に資材手配も日々行わなくてはならなくなる。

  4. 品質問題への対応
     受注生産の場合には、製品に不良問題が発生した時に、代替え品として納入する製品在庫がない。 そのために、100%良品の生産を行わなくてはならない。

  5. 設備故障への対応
     受注生産の場合、設備故障が発生すると納入遅延を結びつきやすい。 そのために、設備故障しないためのTPM運動を行っていく必要がある。 同時に、設備故障した時の、対応策も事前に考えておく必要がある。

  6. 営業力の強化
     時に、見込み以上の量の発注がくる時がある。 見込み生産の時であれば、たまたまた在庫があって納入できたこともあったであろう。 しかし、受注生産の場合であれば、このような場合、全く対応できない状況となる。 そのために営業力を強化して、問題のありそうな受注に対しては事前に情報を入手し、資材手配等の事前準備を行う。

  7. 生産計画の高度化
     多品種少量生産に伴い、日々の生産計画も複雑になる。 そのうえ、生産量の変更、特急品の発生によって、短時間で生産計画の組替えを行わなくてはならなくなる。 そのための人的能力開発やシステム開発が必要になる。

  8. 多能工化の推進
     受注生産に移行することによって、製造ラインや人によって負荷が異なってくる。 必要量を生産することができないケースも出てくると考えられる。 この時のために、1人の人がより多くの製品を生産できる体制にする。 一般的には、多能工化した場合には、より品質問題が発生しやすくなるという。 そのために、QC工程表や品質ポカヨケによって品質問題を防ぐ工夫をする必要がある。 パートタイマーの場合は、短期間で辞めていく場合も多いので、分野を限定して多能工化を行っている場合が多い。

  9. コミュニケーションの強化
     見込み生産から受注生産への移行に対しては、従業員に多大な負担がかかるため、これは会社が生き残るためにはどうしても必要な行動であることを理解してもらう必要がある。 この移行中に品質問題や安全上の問題が発生すると、この活動自体が無効になってしまう。



できうる限りの回答させてもらいますので、気楽に質問を下さい

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