7月20日。最近暑さのため寝苦しく、熟睡できない。「きょう寝坊したのも今年の酷暑のためだ。」と、自分を正当化しつつぼおーっとした頭で家を出た。午前8時、国道のデジタル温度計がもう30度を表示していた。
午前10時。峠を越えて鳥取県側にはいったがこっちも暑い。源流付近を車で移動しながら入渓場所を探す。一箇所気に入った場所が見つかったので川に入ってみる。今の季節はどこでもそうだが、ここも蜘蛛の巣だらけである。先行者がいないという証拠でもあるが、閉口する。一時間ほど竿を出してみるが小さな魚がフライをつつきにきただけであった。
同じ河川を下流へ大きく移動し日陰のありそうな場所に入渓。まずは休憩である。流れのそばに座る。ベストと帽子を脱ぎ、ウェーダーは水に漬けたままじっとしているととても気持ちがよい。気温は高いが風があるのが救いだ。こちらは上流部と比較して水量が多く、その分魚のストックも多そうだ。アントのパラシュートを結び釣り再開。なるほど魚も多いかもしれないが、このどぴーかんの真夏の日中はやはり苦しい。一時間ほどの間におちびヤマメが三匹釣れただけだ。
川の勾配がフラットに近く、なだらかに水が流れる区間にやってきた。上空を覆う樹木もなく太陽が容赦なく照りつける。畳一枚ほどの小さなスポットから、いきなり大きな魚がフライをくわえに飛び出したのが見えた。最初はウグイだろうと思っていたが寄せてみると大きなヤマメである。「尺あるかも知れない」とあわててランディングネットを差し出すが、あと少しというところでばれてしまった。緊張感を失っているときにどかーんと大きな魚がでてくることはままあることで、いつもあわてふためいて失敗する。今回もそのよい例だ。しかも最初に外道だろいうという勘違いで慎重さに欠ける寄せ方をしてしまった。
反省ばかりしていてもしかたないので河川移動をする。最近いつも涼みに行く場所だ。ところが着いてみるとどんよりと曇っていてわざわざ源流部にはいらなくても大丈夫そうだ。いつも入る場所よりもやや下流から入渓した。芦の林の中で、蜘蛛の巣を破壊しながらの釣りである。20cm前後のイワナを2匹ばらして堰堤の下までやってきた。
堰堤の左岸の端部やや下流に少しだけ水深が周囲よりも深くなっている場所があり、そこにフライを投げたときである。もわーんと大きな魚影がフライを追って浮上してきた。すっぽぬけ。そのまま魚は沈んでしまったようだ。イブニングにもう一度狙おうと思い堰堤直下からあきらめ気味に、今度はややダウンクロス気味にキャストした。なんともう一度魚が出てきた。セットフックも決まった。ぐんぐん下に潜ろうとする。しまいには岩の間に入って出てこなくなってしまった。岩の水面に出ている部分をウェーディングシューズでがんがん蹴飛ばすとやっと出てきてくれた。30cmのイワナだった。

その後、もう一つ上の堰堤上で20cmのイワナを釣って納竿とした。そのイワナが小さく見えた。