・2001年12月 ローレン・ニュートン(voice) Lauren Newton in Japan
12月15日(土) なってるハウス 浅草 豊住、ローレンのデュオ
12月21日(金) in F 大泉学園 翠川、ローレンのデュオ
12月22日(土) クチノハ・クリスマス はみだした声の聖夜
Lauren Newton、巻上公一
デュオ ゲスト 室伏鴻(舞踏)、石川高(笙) 情報はここ
12月23日(日) エアジン 横浜 巻上、ローレンのデュオ
12月26日(水) 月の庭 亀山、三重県 巻上、ローレンのデュオ
12月27日(木) 磔磔(たくたく) 京都 巻上、ローレンのデュオ
(2002年2月前半まで日本滞在)
・2001年12月25日(火)あるアナーキスト ドゥルティ上映会 / アベル・パスと語る会
詳しくはここ
・2001年12月27日(木)大友良英ギター・ソロ キッド・アイラック・アート・ホール
・2001年12月29日(土) "The world of Taku Sugimoto"/ 杉本拓(guitar,radios) Off Site
composed music series vol.10
●Axel Dorner, Kevin Drumm [
erstwhile
015]
●
Weather Sky
/ Keith Rowe, Toshimaru Nakamura [
erstwhile
018]
●BOWED METAL ORCHESTRA / composed improvise music by Tatsuya Nakatani
●Christoph Gallio / Mosioblo <A Robert Filliou> [PERCASO 19]
●Derek Bailey /
The Appleyard file
[Incus CD-R1]
●Derek Bailey /
Chats
[Incus CD-R2]
●Company in Marseille [INCUS CD 44/45] 1999年
●
Strings with Evan Parker
[Emanem
4302] 1998/2000(3枚組)
●KING UBU
ORCHESTRU
/
Trigger Zone
[FMP
CD117]
●
Angel Gate
/ Quatuor Accorde [EMANEM
4050]
●
The Contest of Pleasures
[POTLACH
, P201]
●杉本拓
/Tori
[OFFSITE 001]
「で、ぼくはいつも言うんだけれども、自分の伝統は日本の邦楽器でもなんでもなくて日本のテレビ音楽だったんだよって。」(大友良英)
テレビがいちばん面白かった時代だから。
過去の記憶に埋まった未来を発掘するところから、現在の中に未来を見つけだすことができるだろうか。
記憶を遡り、もう一度やり直してみる。
夢中になれるワクワクする未来がこちらに向かって呼びかけて来る。
それは、形を変えた未来なき未来である。
未来なき行き先に未来がある。
時代は確実に変わろうとしている。
2002年は、ぼく自身、自分の原点に戻り、再出発することにしよう。
古い時代と未来のとてつもないエネルギーを与えてくれた少年時代。
そのときに充電された有り余ったエネルギーを目に見える別の形にして放出したい。
Evan Parker Electro Acoustic Quartet とAMMのインタビューを読む。エヴァン・パーカーの「彼らは、私たちの演奏を聴いて、自然、鳥の鳴き声、河のせせらぎなどを連想したといっていた」と言っている。ヨーロッパではそういう反応はなかったそうだ。これは、チラシに載っていたぼくの個人的なコメントが影響しているとしたら、音から受ける連想の自由を奪ったとしたら、よくないことだったのかなという気もするし、ジョエル・ライアンの言うように「日本人の美意識と関連しているのかもしれない。」もし即興演奏が類型的なイメージのみに結びつけられたら、それはつまらない。
AMMのインタビューが、うんうんと頷けるところや考えさせられるところがあって、実に面白い。そういえばAMMが初めて来日したとき、音を出さずにジョン・ティルバリーが演奏していた記憶がよみがえってきた。
Free Improvisation という概念と方法はぼくにとって、音楽という枠を越えたところで深い意味を持つ永遠のテーマである。少なくとも「人間を幸福にしない日本というシステム」が変わらない限り、ぼくの興味が失せることはないだろう。
明日は大友良英のインタビューを読んでみることにしよう。
全3章からなっている。2章が「二十一世紀のフリー・インプロヴィゼーション」で、その最初の「ドラムンベース上のデレクベイリー」を読む。工作舎の「インプロヴィゼーション」や間章の「このたびに終わりはない」(柏書房)などからベイリーの言葉が引用されている。それとは別にギタリストのステファン・ジャウォージンStefan Jaworzynのインタビューで、ベイリーは自宅のラジオから流れる海賊放送のジャングルビートに合わせて2年間練習したという情報が新鮮だった。
「FADER」vol.6(HEADZ, 1000円)のデレク・ベイリーのインタビューを読むと、ベイリーがリズムに合わせてギターを弾く感覚がどういう経緯から来ているのかなんとなく見えてくる。
ベイリーのCDで一番つまらないのは、パット・メセニーと共演しているCDだと言ったら、「それは是非買って聴いてみたい!」と言った知り合いがいる。商魂たくましいあるCD店では、推薦盤のシールが張られていたので仰天したことがある。「いや、ほんとに、どうしようもないから、やめたほうがいいよ」と言えば言うほど彼はその3枚組CDを欲しがるのだった。人の心理とは不思議なものだ。もう入手したのだろうか。
一方、ドラムンベースとデレクのデュオのCDは、それほど良くもないが悪くもない。でも、同じ事をベイリー以外のギタリストがやっても似たような演奏になるだろうなという印象も持っている。ベイリーが自宅で海賊放送を聴きながら録音した演奏がCDになったら、そっちの方には気持が共感できるし、コレクションしたい気もする。音が少々悪かったりしたら、さらに良い。聴くのは、ぼくのような素人である。
1曲目、粉砕された音の断片のなだれを思わせる超高速の演奏。サイン波などの高音の音が新鮮さをあらわす信号になっている。演奏者の個性やテクニック表現力はほとんど判別できない。無機質で爽快な演奏だ。2曲目は、現代音楽的な曲で日本的な「間」の音楽になっている。さまざまな音は各所に配置されていく。ある種あからさまな音が用いられている。表現力がいちばん「生きている」のはガサゴソとしたノイズだろうか。「間」はだんだん少なくなり、音はだんだん連続している。あれ、もうすでに3曲目になっていた。ゴソゴソ音には継続した「自我」がある。だから、そこに注意が向かう。4曲目はまた雪崩れ的な演奏。全体を通して聴いた印象はパワーのある「現代の音楽」。
まずはMP3のサンプルを聴いてみることにしよう。
http://www.audiosemantics.de/
オランダの国のことについて色々と本で読んでみると、国のシステムや、人間1人1人の生き方の自由さが、ニッポンとは、もう、まったくレベルが違う。ハン・ベニンクなんかが、ハチャメチャ自由な即興をいともさり気なく、自然にやってのけてしまうのもよく分かる。イギリスは前から大好きだったけれど、岡山県人と同じ「ケチ」なところのあるオランダ人もイギリスと同じくらいに大好きになってしまった。
●『オランダ ”何でもありの王国へようこそ”』(トラベルジャーナル)
●『オランダ人のまっかなホント』ロドニー・ボルト(マクミラン ランゲージハウス)
羽野昌二 のドラムは低音あたりがくぐもっている。けれども「オレの頭の中では演奏していないときも高速のパルスが鳴り続けている」というだけあって、パルス的な不連続音のスピード感とエネルギーの継続の中で、ゆったりとデュオの演奏を楽しむことができる。
バーナード・ギュンターのライブの模様は、
Tofu's Monologue
http://homepage2.nifty.com/tofu-tokiwa/
TAKE's Homepage
http://member.nifty.ne.jp/TAKEDA/
ATAVISTIC:
・JOHN CORBETT & DAVEY WILLIAMS: Humdinger CD (ATA 124).
EMANEM (ENGLAND):
・CHRIS BURN/JOHN BUTCHER/RHODRI DAVIES/JOHN EDWARDS: The First Two Gigs CD
(EMANEM 4063).
・STEVE BERESFORD/PAT THOMAS/VERYAN WESTON: 3 Pianos CD (EMANEM 4064).
・FRODE GJERSTAD/JOHN STEVENS/DEREK BAILEY: Hello Goodbye CD (EMANEM 4065).
ERSTWHILE:
・GREG KELLEY/JASON LESCALLEET: Forlorn Green CD (ERST 019).
GROB (GERMANY):
・EUGENE CHADBOURNE & JOE WILLIAMSON & ULI JENNEァEN: Ayler Undead
CD (GROB 321).
PSI (ENGLAND):
・EVAN PARKER: Lines Burnt in Light CD (PSI 01.01).
正方形の形をしたCD。
静かで、不思議な気持にさせてくれる音楽。
アンビエント的ではあるが、「具体的な生きた音」がしっかりと存在している。
隠れたノイズ。
安らぎと存在感が同居している。
アクセル・ドナーのトランペットは、ちっともトランペットの音がしない
トランペットの音がしないから
ぼくは安心する
ケビン・ドラムのギターからは、ギターの音がしない
だから心地よい
既成の音は、複雑な感情にまとわりつく
それがなければ、感情のアレルギーを起こす心配もない
小さな音があったり、なかったり
どこかで空気が漏れている
音の粒子が創り出す物質の世界が
ひとときの開放感を与えてくる
誰のものでもない
ささやかな楽しみがある
生きている
「マヤ・ホンバーガー&バリー・ガイ 2001 日本公演」のチラシがjazz&NOWから届く。真っ白な紙に黒の文字がシンプルで気持がよい。写真を見ていると、毅然とした、それでいてあたたかい音が聞こえてくるようだ。
http://www.japanimprov.com/japantour/barry/profilej.html
空間の僅かな振動。空気のような音楽。キーンという小さな高周波が一本貫いている。それに小さな音が稀に加わる。最低限で抽象的な音が想像力を刺激する。何にもないようなところに、何かを見つける。何かを感じる。聞こえない音を聴く楽しみ。見えない世界が見えてくる。ぼくはそんなことが大好き。
ぼくが初めて彼の演奏を観たのは、エヴァン・パーカーとのデュオで来日ツアーのあった1985年のことだ。2人とも今は立派な白髪の紳士になってしまったが、当時は両氏とも黒々とした髪をしていた。いや、バリー・ガイは茶色だったかもしれない。とにかく白くはなかった。
控室で、パーカーは緑茶を飲みながら「グッドテイスト」と一言。その傍らで、バリー・ガイはどこかの自動販売機で買ってきたコカ・コーラをグイグイッとうまそうに飲んでいる。「砂糖はポイズンだ」とも言う学者的風貌のパーカーに対して、溌剌としたバリー・ガイはおおよそイギリス的とは思えないアッケラカンとした明るい青年に見えた。一度、イギリスに行って「カンパニー・ウイーク」を観てみたいと話すと、「それなら、オレの家に泊まったらいいよ!」なんて言ってくれる。
バリー・ガイは演奏の準備を始めた。アルミのケースからシールド・コード、小型のイコライザー、ボリューム・ペダルを取り出したかと思うと、信じられないくらいのテキパキとしたスピードでそれらのセットアップを始めた。早回しのフィルムのような動きはコミカルにさえ思えた。すでに準備の段階(もちろん会場にはまだお客さんは入っていない)から即興演奏は始まっていたのかもしれない。何しろフリー・インプロヴィゼーションは、聴き手が音の行方を頭に描く前に、それを越える速さの演奏する事で、ある種の開放感をもたらすことを常套手段とするからだ。もたついていたのでは話にならない。
目の前で聴くバリー・ガイのコントラバスの音は恐ろしいほどに美しかった。その美しさを保ったまま、バキバキした乾いた音を出すのだから凄い。曖昧だったり中途半端な音は一切ない。楽器の下の方も弾くため前後の屈伸運動も並の動きではない。器械体操の選手ではないかと思ったほどだ。弓で弾いたり、マレットを弦の間に挟んで、それを叩いたり振動させたり。
今回の来日の演奏も観たいのだが、近くの公演はないから、見に行けそうにはない。
バリー・ガイのベースの演奏をもう一度目の前で聴きたいものだ。どう考えても普通のベースの音ではない。
早回しのフィルムのパフォーマンスと音をもう一度観たくてしようがない。
Free Music Record Libraryのページでもバリー・ガイの思い出が語られているのを見つけた。
http://www1.ocn.ne.jp/~lot74/
Free Music Record Library>NOTE当ページに携る人々の手記など>Page 3 にある。
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マヤ・ホンバーガー & バリー・ガイ 2001 日本公演
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マヤ&バリーの音楽は、バロック/モダン、そしてインプロヴィゼーションの情緒的関連性に魅せられた場所から生まれた、様々な実験に満ちている。
■Maya Homburger(バロック・バイオリン)
スイス生まれ。1986年、英国に移りジョン・エリオット・ガーディナー及び、トレヴァー・ピノックの古楽グループに参加。クリストファー・ホグウッドのエンシェント室内管弦楽団のツアーにおいてバリー・ガイと出合い、その後、共にアイルランドヘ移住。現在はJS.バッハ、テレマン等、バロックへの取り組みを続ける一方、1994年から始めたバリー・ガイとのデュオにおいて、独自の境地を拓いている。
■Barry Guy(ダブルベース)
1947年 ロンドン生まれ。1960年代中頃からハワード・ライリー・トリオ等のベーシストとして頭角を現し、1970年にポール・ラザフォード、デレク・ベイリーと結成したIskra
1903、エヴァン・パーカー、ポール・リットンとのトリオ等における前衛的な即興演奏を通して、ベースの限界を拡張した。同時に、'70年に設立したロンドン・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラを舞台に、フリーインプロヴィゼーションと作曲との関係を探求し続けている。また、作曲家として、ピエール・ブーレーズ指揮するBBC交響楽団が初演した「D」、クロノス・カルテットの委嘱による「The
Road to Ruin」等、多くの作品がある。
■11月18日(日) エッグファーム (埼玉県岡部町櫛挽140-1)
開演 4:15pm
前売 3500円 当日 4000円 学生 2000円
問い合わせ TEL&FAX 048-585-6685/ Eメール spacewho@ikn.co.jp(齋藤)
*JR高崎線「深谷駅」より送迎あり。( 要予約 )
■11月21日(水) 原美術館 (品川区北品川4-7-25)
ホール開場 6:30pm 開演 7:00pm (開館 11:00 am 〜)
予約 2800円(10/30日より受付)当日 3000円
問い合わせ TEL 03-3445-0651
*JR「品川駅」高輪口より徒歩15分、タクシー5分
■11月22日(木) いわき市立美術館 (いわき市平字堂根町4-4)
開場 6:00pm 開演 6:30pm
入場無料 (当日先着順の入場です。)
問い合わせ TEL 0246-25-1111
■11月23日(金・祝) ムジカーザ (渋谷区西原3-33-1/TEL 03-5454-0054)
オープニングアクト 石川 高 (笙) ソロ
開場 6:30pm 開演 7:00pm
予約 3200円 当日 3500円
問い合わせ・予約 TEL&FAX 0282-45-1187/ Eメール now@plum.ocn.ne.jp (jazz & NOW)
*ご予約方法: お名前・ご住所・TEL・人数をご明記の上、FAXまたはEメールでjazz & NOW宛にお申し込み下さい。(11/16 必着)
*小田急線・地下鉄千代田線「代々木上原駅」徒歩3分
■11月24日(土) CCGA現代グラフィックアートセンター (須賀川市塩田宮田1)
開場 3:30pm 開演 4:00pm
問い合わせ TEL 0248-79-4811
*抽選による当選者のみのご入場(入場料1000円)とさせていただきます。お申し込みは、往復ハガキにお名前・ご住所・TEL・人数(3名まで)をご記入の上、CCGAまで。(11/11当日消印有効)
■制作/総合問い合わせ jazz & NOW (0282-45-1187 / now@plum.ocn.ne.jp)
・サックスとピアノ
・ティンクリとピアノ
・ピアノ・ソロ
・篳篥とピアノ
・スリン・ソロ
・スリンとピアノ
上の組み合わせでとろけるような残響のある即興演奏を聴くことができる。バリの素朴な音の楽器や篳篥の音がピアノと和感なく融合していることに驚いた。竹笛のシュリンの音色は尺八のように聞こえる。ジャケットの写真が音の印象をストレートに表している。
岡部春彦ホームページ
http://ww81.tiki.ne.jp/~hal-okabe/index.html
若尾 裕ホームページ
http://home.hiroshima-u.ac.jp/ywakao/
●BOWED METAL ORCHESTRA / composed improvise music by tatsuya nakatani (限定150部)
CDは透明なケースに入っていて、CD自体も透明だ。中央に近い録音部分だけが銀色に光っている。面白いのは形が円形ではなくて、対称な部分の両端が切り取られていて、カード型CDと呼んでいいような形になっているのだ。外観だけでぼくはこの中谷さんのCDがとても気に入ってしまった。音は聴かなくても分かるくらいにオブジェとしての魅力を発散している。マイナスの発想だ。色を取って透明にする。CDの大きさを小さくする。さらに両端まで取ってさらに小さくする。音もシンプルだ。ゴングやベルを弓で弾く、ウォーン、グォーン、キーンという音だけで出来ている音楽。長く尾を引くように消えていく音には自然で繊細なビブラートがかかっている。表現の過剰さは微塵もない。それどころか必要なものさえ足りないくらいだ。5分の作品はあっという間に終わってしまう。「無」だけが心に残る。
●Christoph Gallio / Mosioblo <A Robert Filliou> [ PERCASO 19]
語りめいた女性の歌声とヴォイス。ある種、ヨーロッパ的な「間」を持ったシンプルで憂鬱なメロディと歌と軽妙なノイズ。実験的な曲が不自然さを全く感じさせることなく、音はそこで優しくとどまり歌う。前作2枚のオーソドックスな「Jazz的スッキリ暗さ」も良かったが、ぼくとしてはこっちの実験・現代音楽的CDの方がずっと好みだ。空白の心を満たそうとしてくるのが普通の音楽だとすると、ぼくを楽しませてくれる音楽は違う。退屈な感情が充満する心に「空白」を作ってくれる音楽だ。このCDは一番先に奇妙な「空白」をもたらしてくれる。実験的とはそういうものだろう。
曲名がまた面白い。「ちょうちょう」「手」「犬」「歩く」「兄弟」「油」「パン」「野蛮人」「使いすぎる」「反応」「可愛い」「王」「集まる」「だんだん」「思う「直接の」「穴」「闇」「頭痛」「寝る」
●Brian Agro / Poems and Preludes [ PERCASO 18]
最初聴いた時は何の変哲もない、クラシックっぽいピアノ・ソロに思えたが、上のCDを聴いたあとに聴くと、スーッと心に入ってくる。心安らぐピアノ・ソロだ。
各奏者の音たちは、最後まで、1つに集合しようとはしない。そんな散漫な自由さがぼくは好きなのかなぁ、と思う。
●October Bass Tri-Logue [MTCJ-1018]
Barre Phillips :bass
Nobuyoshi Ino :bass
Tetsu Saitoh :bass
1, 2, 3曲目が良かった。ジャケットも良い。
一度ライブを体験してみたいものだ。
●Duo Improvisation Vol.1(aoneko 007)
市村智 サックス、ギター、他
清水浩 ギター、シャナイ、声
●Cloudy, Fine Later(aoneko 009)
池上秀夫 コントラバス、声、他
清水浩 ギター、シャナイ、声
●Trio Improvisations At Artland Vol.1(aoneko 012)
河合拓始 ピアノ、ヴォイス
池上秀夫 ベース
清水浩 ギター、シャナイ、ヴォイス
●Trio Improvisations At Artland Vol.2(aoneko 013)
河合拓始 ピアノ、ヴォイス
池上秀夫 ベース
清水浩 ギター、シャナイ、ヴォイス
デレクベイリーの影響の感じられる清水浩のギターがなかなかよい。ソロも聴いてみたいなと思う。
2001年11月に日本でのライブがいくつか決まっているようだ。
November 2001
1
Thomas Ankersmit (alto saxophone) at Kid Ailack Art Hall.
2
"Meeting at Off Site Vol. 16." Tetuzi Akiyama, Toshimaru Nakamura, and guest
Thomas Ankersmit (alto saxophone, electronics) at Off Site in Yoyogi, Tokyo.
1,500 yen + drink.
5
"Deluxe Improvisation Series, Vol. 19." Thomas Ankersmit (alto saxophone,
electronics), Kazuo Imai (guitar), Sachiko M (sine waves), and Naoaki
Miyamoto (guitar) at Deluxe in Azabujuban, Tokyo. 2,500 yen (one drink
included).
8
Masashi Egawa (trumpet), Takashi Kojima (sampler), Tetuzi Akiyama and Thomas
Ankersmit (alto saxophone, electronics) at Futuro, Osaka.
Thomas Ankersmit
Alto saxophone, electronics, analogue synthesizer.
Thomas Ankersmit has worked with Tetuzi Akiyama, Borbetomagus (Don Dietrich,
Donald Miller and Jim Sauter), Axel D嗷ner, Kevin Drumm, Ellen Fullman, Greg
Kelley, Takehisa Kosugi, Alvin Lucier, Toshimaru Nakamura, Jim OユRourke,
Gert-Jan Prins, Tamio Shiraishi, Taku Sugimoto and others.
Ankersmit has performed extensively throughout Europe, North America and
Japan. His installations have been exhibited in Berlin, Cologne, New York,
Los Angeles and Tokyo.
Based in Berlin, Germany.
「ディスカホリックス・アノニマス・トリオ」来日ツアー
http://smash-jpn.com/diskaholicanonymoustrio.html
Mats Gustafsson は荒々しく無骨な連続奏法と、小さな抽象的な音を使った断片奏法の2つの側面を持っている。ぼくは後者の演奏が好きだ。今回のトリオはどちらに属すのだろう。Jim O'Rourke, Mats GustafssonのデュオのCD、 Xylophonen Virtuosen [Incus CD38] を聴いてみる。オルークの微睡んだギターのメロディー的情緒が押し出されてくるところが多々ある。ぼくはその情緒を好まない。しかしJim O'Rourkeの人気はその点にあるのだろう。人々は囚われたがっている。
安田さんを真似て、Paul Lovens と Mats Gustafssonのデュオの演奏が収められたCD、 Nothing To Read [BTCD 03] を取り出して聴いてみる。うず高く積み上げられた書庫の中での演奏。本を通して様々な世界への通路が無数に開かれている。誰も選んではくれない。
グスタフソンの単独ライブはないのだろうか?
●Derek Bailey /
The Appleyard file
[Incus CD-R1]
●Derek Bailey /
Chats
[Incus CD-R2]
2枚とも全編「語り弾き」の内容になっているところが珍しい。女性の語り声も入っていたりする。シンプルなジャケット・ケースはCDにはない手作りの魅力がある。既製品にはない自由さ。演奏の内容も、音楽的な背景を必要としない開放的で自由な楽しさに満ちあふれている。インターネット時代のドキドキする今しかない音の伝達がここにある。
ぼくがフリー・インプロヴィゼーションの楽しみを知ったのは、IncusのLPレコードを聴いたのが、そもそもの始まりだった。LPからCDに移り変わり、INCUSの魅力は薄れていった。それがCD-Rになって、またLP時代のように手作りのダイレクトでプライベートな音が伝わってくるように感じる。或るものから逃れる自由があるからだろう。何ものからか逃れる時、何ものかを捨て去る時、人は自由や開放感を感じるのではないだろうか。少なくともぼくはそうだ。
世界聖なる音楽祭 広島2001
http://homepage1.nifty.com/~inplace/wfsm/
freedom of the city 2001 から、Eddie Prevost Trio の演奏を聴く。
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focprogmon.shtml
ややフリー・ジャズ的な演奏であるが、3人で調子を合わせて全体で一体化したサウンドを作るというのではない。各奏者の即興はあくまで自立・独立している。そのことは奏者ごとの音に聴点を移して演奏を聴いてみるとよく分かる。風通しの良い演奏が心地よい。最後のあたりのベースの音などグイグイ引き込まれてくる。個人の自主・独立の無い「自由」であったならば、ぼくはなんの興味も覚えないだろう。
FORCED EXPOSURE の案内から気になるCD(5月〜今日まで)
◎OTOMO YOSHIHIDE'S NEW JAZZ QUINTET: Flutter CD (TZ 7232)
◎NOYES, CHARLES K.: Full Stop CD (E 20).
◎BAILEY & EDDIE PREVOST, DEREK: Ore CD (ARR 001 CD).
◎DORNER/KEVIN DRUMM, AXEL: CD (ERST 015).
◎MARCHETTI_VOICE CRACK_NOETINGER: Double_Wash CD (GROB 318).
◎KOSUGI, TAKEHISA: Catch-Wave LP (ISKRA 3003).
◎AMM: Tunes Without Measure Or End CD (MRCD44).
◎WITTWER, STEPHAN: Streams CD (GROB 320)
◎DENLEY/ MARTIN NG, JIM: Vergency CD (GROB 322).
◎HANO & DEREK BAILEY, SHOJI: Fish CD (PSF 8009).
◎ROWE/TOSHIMARU NAKAMURA, KEITH: Weather Sky CD (ERST 018).
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartwadych.shtml
エレクトロニクスの音が斬新なわけではない。なのに心に新鮮に響く。どうでもいい修飾がないからだと思う。
エアハルト・ヒルト Erhard
Hirt
(ギター)の日本公演(2001年9月13〜25日)見に行きたかったなぁ。
http://www.japanimprov.com/japantour/erhard/profilej.html
会場で購入した2枚のCDのうちの一枚。ジャケットの写真も素晴らしい。
●Chris
Burn
Ensemble /
THE PLACE 1991
[EMANEM 4056] (Composition for Improvisers)
JIm Denley,
John Butcher
, Stevie Wishart,
Phil Durrant
, Marcio Mattos
,
John Russell
, Chris
Burn
, Matt Hutchinson,
Evan Parker
フルートが入っているためか独特の雰囲気がある。Chris Burnの曲が3曲とKeith Rowe, John Butcherの曲がそれぞれ1曲。もう1曲は即興。ジョン・ラッセルのギターは大勢の中でより存在感が増す。6曲目にエヴァン・パーカーがゲスト参加している。
地下の採掘現場で孤独に硬い岩石を打ち砕いていくような演奏。プリペアドと内部奏法。ピアノの音を拡張するために何らかのパーカッションがを使っていると思われるが、どう使っているのか聞いただけではよく分からない。ギターの音のように聞こえる部分や電子音みたいに聞こえる瞬間もあって面白い。
ギターの開放弦の音というのは平凡でつまらない音がする。ピアノの音は開放弦をハンマーで叩いて出しているから普通に弾いたら、やっぱりつまらない。開放弦を弾くのだから開放的かというとそうではなくて、解放されていない物体から別次元の音を工夫して叩き出すところに開放感というものが生まれてくる。
音の音色やリズムやメロディーを巧みに操り、情緒や感情を誘導することで人々を楽しませる音楽が一般的だ。でもぼくはそういう音楽にはそれほど興味を持っていない。音そのものがオブジェのように物質のように独立した存在としてこちらの耳にうったえかけてくる音楽に興味が湧く。光は波動の性質と実体を持った粒子の2つの性質を持っていることが分かっている。ならば音だって同じように空気の振動だけではなくて、物質的性質を持っていると考えてもおかしくない。物質的性質の強調された音楽、物体と物体がぶつかって得体の知れない新たな物体が生まれ出てくるかもしれない。そのような「物体音楽」をぼくはいつも夢見ている。
Charaoui (percussion and table top sampling)
Lely (piano)
Seymour Wright (alto saxophone)
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartchr.shtml
大友さんの「JAMJAM日記」を読む。あれあれ、今回が最終回だ。不良中年=大友良英がいる。
ぼくが学生の頃(つまり大友さんが学生の頃)は一癖ある個性的な人物が周りに沢山いた。今の子どもはみ〜んな一生懸命に詰め込みの受験勉強ばかりしているから、将来、文化的な事業で世の中を面白くしてくれるであろう不良少年がいなくなってしまった。
大友良英
http://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/index.html
◎BARK! /
Swing
[MRCD41]
Rex Casswell (electric guitar)
Phillip Marks (percussion)
Paul Obermayer (sampler/ processing)
現代音楽っぽいPat Thomas のピアノ・ソロは、人の心に気安く侵入してくることをしない。そんなところがいいなあと思う。鳴く虫と同じで、独立している。
パワーでごり押しをする無理な自由ではない。とろけるような音の時間、極端な音の遠近感。前と後ろが反転する。散らばる音の自在。夢のように素晴らしい。80年代以降ベイリーはつまらなくなったな、という人にも聴いてもらいたい。こんな風なCDが出てくる限り、ぼくの音に対する自由への憧れの気持は失せることはない。そしてまた、この飛散する音の自由に感覚をチューニングするちょっとした意識のコツを伝えていきたい。本当は自分の子孫に受け継いでいってもらいたいと思っているのだが、それも確信が持てないので、名も知らぬ誰かの中で意識のDNAとなって地球が消えたその先までも永遠に続いていってもらいたい。
エヴァン・パーカー来日公演
9月14日(金)
神戸酒心館
(神戸市東灘区御影塚町1-8-17/078-841-1121/ http://www.shushinkan.co.jp/ )
開場 PM7:00 開演 PM7:30
前売/予約3000円 当日3500円 (全席自由)
■予約方法:公演名・住所・氏名・TEL番号・人数を明記の上、
FAXでお申し込みください。(9月11日必着)
■予約/問い合わせ:TEL & FAX 0282-45-1187 (jazz & NOW)
■前売券:神戸酒心館で扱っています。ご希望の方は直接ご来館下さい。
■開演後のご入場はできません。あらかじめご了承下さい。
9月19日(水)
デラックス
(港区麻布十番1-3-3)
オープニング・アクト:Erhard hirt
開場 PM7:00 開演 PM7:30
当日のみ 3500円 (1ドリンク付)
■前売・整理番号の発行はいたしません。
■交通案内: http://www.tokyo-ale.com/e/news/deluxemape.html
■問い合わせ:Eメール setreset@attglobal.net(中村)
9月21日(金)
新宿ピットイン
(新宿 2-12-4 アコード新宿 B1/ http://www.pit-inn.com/ )
ゲスト:Sachiko M 大友良英 石川高
開場 PM7:00 開演 PM7:30
前売3500円 当日4000円 (1ドリンク付)
■チケット取扱い:新宿ピットイン
■問い合わせ:03-3354-2024(新宿ピットイン)
9月22日(土)
大谷石地下採掘場跡
(宇都宮市大谷町909/TEL 028-652-1232/ http://www.oya909.co.jp/ )
開場 PM6:30 開演 PM7:00
前売/予約3000円 当日3500円 (全席自由)
■チケット取扱い:下野新聞プレイガイド、大谷資料館
■予約方法:公演名・住所・氏名・TEL番号・人数を明記の上、
FAXでお申し込みください。(9月17日必着)
■予約/問い合わせ:TEL & FAX 0282-45-1187 (jazz & NOW)
■開演後のご入場はできません。あらかじめご了承下さい。
■会場の気温は約10℃です。防寒のご用意をしてご来場下さい。
■Evan Parker HP: http://www.shef.ac.uk/misc/rec/ps/efi/mparker.html
2曲聴く。フリー・ジャズ〜ジャズの演奏。CDだと聴かないけれど、ライブでなら楽しめる。
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartyarde.shtml
今日は、
・ Hession/ Wilkinson/ Fell
Paul Hession/ Alan Wilkinson/ Simon H Fell
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focarthssn.shtml
を聴く。余裕のパワーが心地よい。
・ Veryan Weston/ John Edwards/ Mark Sanders
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartweston.shtml
・ Lol Coxhill/ Phil Minton/ John Russell/ Paul Rutherford/ Roger Turner
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartcxhll.shtml
・ Temporary Brass Trio
Ian Smith/ Gail Brand/ Oren Marshall
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartsmith.shtml
・ Caroline Kraabel/ Maggie Nicols/ Charlotte Hug
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartkrbl.shtml
・ Steve Beresford/ John Butcher
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartbrsfrd.shtml
・ Strings with (and without) Evan Parker:
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartstrings.shtml
・ Mick Beck/ Matt Wand/ Paul Hession
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartbeck.shtml
・ Chris Burn's Ensemble
Chris Burn/ John Butcher/ Matthew Hutchinson/ John Russell/ Mark Wastell
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartburn.shtml
特にぼくが気に入ったのは、Chris Burn's Ensemble 。
ステージの演奏を動画と共に楽しむことが出来る。フリー・インプロヴィゼーション・ファンにはたまらない。
今日聴いたのは、Saturday May 5th のステージから下の3つ。
・ Pat Thomas
Solo piano
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartthomas.shtml
・ Mass Producers
Caroline Kraabel
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartkrbl.shtml
・ Quatuor Accorde
Tony Wren/ Phil Durrant/ Charlotte Hug/ Mark Wastell
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/freedom/focartwren.shtml
どの演奏も本当に素晴らしい。特にQuatuor Accorde は、ぼくの好みの音だから興奮してしまった。明日もまた順番に続きを聴いていくことにしよう!
タナベマサエ の鳥をモチーフにした絵画展覧会で展示作品をスコアとした10分程度のライヴ演奏を行った時の録音。1曲目は6弦ベースギター、2曲目はエレクトリック・ギター、3曲目がギター・ケースとコンタクト・マイクロフォン、4曲目はアコースティック・ギターによるソロ演奏。
鳥をモチーフにしたタナベマサエの絵画30点を印刷した画集とセットになった限定版もあったが、ぼくはあえてCDのみを購入した。絵画の制作過程を頭の中に描きながら聴いてみた。杉本拓のギターの音の静けさや間が、絵画の世界に内在する無音性・静寂性を連想させる。彼のの創る音楽が、どこかしら絵画的・絵本的・書物的であることには前か感じているところであるが、このCDではその特質がストレートに伝わってくる。ただ、CDケースに工夫がなかったのが残念。画集とセットの箱入りの方を買えばよかったかなぁ。それでもぼくの愛聴盤に加わった。こんどは足穂の「一千一秒物語」の中で聞こえてくるギターのような、メロディーのある彼のギターも聴きたい。
タナベマサエ / 鳥
Birdy Program at Off Site
2001年2月1日〜3月31日
http://www.japanimprov.com/cdshop/goods/offsite/birdy.html
7月31日(火) 荻窪GOODMAN Solo ゲスト ときたたら:能管
8月1日(水) 荻窪GOOMAN Solo ゲスト 斎藤コメゾウ浩:ピアニカ 両日とも20時〜23時ワンドリンク付1450円
8月9/10日 (木金) 日守神社夏期大祭雅楽演奏 18時〜無料
8月11日午後(土) クリエイティブミュージックフェスティバルコンサート
(広島)
8月19日(日) ひちりきと鍵盤ハーモニカのコンサート 香川県塩江町美術館 寺内大輔:鍵盤ハーモニカ、ピアノ、声他とデュオ
♪内容はインプロです
17時半〜19時半 大人1000円高校生以下300円 以上
2001年9月19日放送/9月24日・10月20日再放送
第7回「サウンドスケープとアート」
この中で。鈴木昭男とビル・フォンタナ
が紹介される予定。
「聴くということに集中すればするほど、音は逃げてゆき、概念(名称)だけが耳のなかでこだまし始めたのだ。・・・・・何も聴かないようにしたとき、とても充実した気分が自分のなかに満ちてきた。リラックスした状態になると、今度は思いがけない音が耳に飛び込んできた。」(中川 真『音のかなたへ』より)「対談ロルフ・ユリウス×中川 真」
即興はライブのものだ、という意見が昔からある。ライブを体験する機会が本当に少ないぼくにとっては、結晶化しオブジェと化した誤魔化しのきかないCDの音こそが真実であったりもする。CDにおさめられた音がぼくの耳に伝わってくるのはいつのことだろう。
Improvised Music from Japan のページに アネッタ・クレプス・インタヴュー が掲載されている。
カンパニーの中でぼくが一番好きなのが、日本からは鈴木昭男、吉沢元治が参加しているこのEPIPHANY。ファーストセットの22分あたりからのベイリーのギターの音列が印象深い。久しぶりにCDで聴き直してみる。最初に出会った時のファンタスティックな雰囲気は変わっていない。こんな演奏が日本で当たり前に聞くことが出来るようになるまで、ぼくのこの日記は続くだろう。
前からときどき考えることがある。人間が音を使って造るこのような人工自然とも言えるフリー・インプロヴィゼーションの世界は、「人工自然」から「人口」の2文字を取り去ろうとする、永遠の憧れに近づこうとする人たちによる飽くなき営みなのだろうかと。
Wolfgang Fuchs (sopranino saxophone, bass clarinet, contrabass clarinet)率いる「ユビュ王オーケストラ」の3枚目の作品。1998年、ベルリンの"Total Music Meeting" での録音。今回は特に音が小さいようだ。確固たる演奏テクニックにもとづいた微音が呟き語る。フリー・インプロヴィゼーションへの憧れの要素がこのCDには詰まっている。音の様子をどう言葉に表したらいいのか。それができたら音なんていらない。ぼくの心は言葉にではなく、幼少期の思い出の迷路に迷い込んでいく。
姫路の倉本さん
から「月刊かえる」200〜202が届く。
日記の中でJohn Russell
& Stefan Keune の岡山ライブ
のことに触れられているので以下に抜き出してみよう。
4月22日(日)
ジョン・ラッセル 、シュテファン・コイネ
岡山カフェ・ドルチェッタ
岡山在住で即興音楽をテーマにしたHPを運営されている津下さんが主催のコンサート。 デレク・ベイリー ・スタイルというハーモニックスを多用するギタリストとソプラニーノサックスの共演。こういうギターを弾く人は昔は沢山いた気もするけど、ベテランらしい深みはあったような気がする。
岡山というと明るくて素敵な街という印象があるのだが、なぜだろう? こういうコンサートが立ち見まででる大変な盛況だったりするのも一因かな?(月刊かえる 200/20010512より)
10/6(土)19時開演;ジャズスポット「陸前高田ジョニー」
盛岡店〒020ー0026岩手県盛岡市開運橋通3-44-B1
電話019-651-6150
(主催 金野吉晃 TEL/FAX019ー634ー6740)
前売り¥2500/当日¥3000
10/7(日)13時半開演;横浜ジャズプロムナード2001
横浜開港記念会館
10/8(月・祝日);ピットイン
10/9(火);三重県上野市森喜酒造場
主催;森喜酒造場(代表 森喜英樹)
三重県上野市千歳41-2 〒518-0002
tel.0595-23-3040 fax.0595-24-5735
mail:fwkc6398@mb.infoweb.ne.jp
http://village.infoweb.ne.jp/~moriki
10/10(水)予定無し
10/11(木)18時半開演;水口町立「碧水ホール」
〒528-0005滋賀県甲賀郡水口町水口5671
(JR草津線貴生川駅からひと駅目の近江鉄道水口城南駅下
車徒歩1分) ゲスト:森定道広(コントラバス)
TEL.0748-63-2006 FAX.0748-63-0752
オフィシャル[URL]
http://www.town.minakuchi.shiga.jp/hekisuihall/
(主催 「碧水ホール」担当;上村秀裕)
前売り¥3000/当日¥3500
10/12(金);名古屋市「得三」
名古屋市千種区今池16ー8ブルースタービル2F TEL0
52ー733ー3709
(主催「得三」森田裕)
10/13(土)20時開演;福岡市 「サライ」
〒810-0074福岡市中央区大手門1-8-8-1F(バス停大手門そ
ば、徒歩1分)
Tel:092-734-0885
ゲスト:山口千春(舞踏、from舞踏青龍會)
(主催・問い合わせ先:ベル・ネージュTel&Fax
092-629-5968;木下樹親)
前売り¥3000/当日¥3500(とも
に1drink&1flower付き)
10/14(日)帰国。
2000年9月29日、神奈川県民ホールでのライブ録音。
この、ある種、単調さは、なんだか落ち着くなぁ。なんていうか、日本的な何かがある。あれ、これはニイニイゼミの鳴き声と似ているということに今回初めて気がついた。蝉を掴まえようとした時、耳の角度によって音の聞こえてくる方向や音の種類が違って聞こえる。
日本製のテレビ・ドラマなどが外国で放映される時に、必ず消し去られる音がある。蝉の鳴き声である。日本人であれば誰もが当たり前の音として聞いている自然の音であっても、海外では奇怪なノイズとしか受け取られない。右脳と左脳の話ではなくて、セミは世界中でも限られた地域にしか生息していないからだ。
途中からコオロギやマツムシなどの鳴き声に類似したところも聞き取れる。作為的なところがない、単調なようで複雑。情緒豊かな音。純粋な電子音(サイン波)をダイレクトに聞くのではなくて、ライブ録音になっているところがこのCDの面白さになっている。環境の中での音の存在を考えさせてくれるからだ。サイン波の涼しげなノイズはこの猛暑の中で、心地よい刺激をもたらしてくれる。しかし、このCDは多くの外国の人たちにはどの様に聞こえるのだろう?
いろんな意味で大変に興味深いCDである。
サイン波的な音や微細音を使った音楽は時代の流れと無縁のところに、どういう形で定着してくるのだろうか。ヨーロッパのミュージシャンたちは、むやみに近づくことを警戒しながらも、ある種流行に無縁なところで慎重に、吟味を重ねながら自分独自の世界の中に徐々に取り入れ、10年、20年、30年かけて成熟させて行くに違いない。
「ジャズ批評」(No.108) のエヴァン・パーカーのインタビューを立ち読みする。
EMANEMのマーティン・デヴィッドソンの協力の下、年内に2つのレーベルを立ち上げる用意があるそうだ。ひとつは自分の録音や新しい試みのもので、もう一つのレーベルはジャズよりなものになるみたいだ。
Tofu's Monologue
http://homepage2.nifty.com/tofu-tokiwa
●Derek
Bailey
(g), Ingar Zach(per)/
llaer
[SOFA
503] 2000年
ポール・リットン風の細かな音と低音の大胆な音との両方のセンスを合わせ持った無方向性パーカション。ギターとの相性はなかなか良い。パーカッションの間がデレクの音の多様性を引き出している。各ソロも一曲ずつ入っている。
一曲目の最初でも聴ける空気の抜ける音を利用した電子ノイズのような音の表現に驚く。誰だろう。サックスなのかクラリネットなのかトランペットなのか。各奏者とも小さな音の表現力が実に素晴らしい。 Axel Dorner はBerlin Contemporary Jazz Orchestraのメンバーで来日した1996年に神戸で観たが、こういうのもやっているとは知らなかった。電子音的な長く引き延ばされた高音の重なり具合といい、空気の抜ける細切れの音といい、今、旬の即興音が此処ある。幸福な時間。
日本でこういった音を使った自由即興演奏を探求しているミュージシャンは誰がいるのだろう?
John
Butcher
: soprano & tenor sax
Derek Bailey
: amplified guitar
Rhodri Davies
: harp
ジョン・ブッチャーとデレク・ベイリーとのデュオが2曲。Rhodri Daviesのハープとのデュオが3曲収録されている。デレクとのデュオは良くも悪くも古い歴史を残している。Butcherのサックスの音が妙に礼儀正しく聞こえる。音の相性としては、後半3曲のハープとのデュオの方がジョン・ブッチャーの繊細な表現力にピッタリ来ている。ハープといってもいわゆるハープらしい音はほとんど出てこない。最初の出だしを聴いていなければハープとは気がつかないだろう。こんなハープを聴くのは初めてだ。Rhodri Daviesのハープをもっと聴きたくなってきた。
1から6曲目までの、Simon Emmerson(electronics)とのデュオがたいへん興味深い。エヴァン・パーカーが最近やっているプロセッシングを既に1978年の時点でやっていたのだ。ソプラノ・サックスの音が、ダブって聞こえたり、電気的な音に変容するところが面白い。録音は古いが、不思議と新鮮な感覚で聴くことができる。後半はVeryan Weston(p)とのデュオ。
CDの裏には、どの楽器もアンプによる増幅やエレクトロニクスを使っていないことが、わざわざ明記されている。
free improvisationのLPやCDには、これに類した、「オバーダビングは一切していません」とか「大音量で聴いてください」などということが書かれているのをよく目にしてきた。これらはどれも重要なことだ。free
improvisationの本質に関わっている。
ヨーロッパで60年代後半に起こったfree improvisation のムーヴメントは70年代末に、その中心人物でもあるデレク・ベイリーが日本に紹介されたとき、それまでフリージャズしか知らなかった一部の人たちに大変なショックを与えた。あからさまな熱気やいきり立って出す狂気めいた音の盛り上がりが一切なくても、自由で開放的な即興演奏が可能であることを発見したのだ。「盛り上がる」ことに価値があるという「不自由さ」あるいは「集団主義」から解放された「自由即興」の方法が見いだされた。各奏者が独立した意思をもって音を出しながらも全体としては統一感が感じられる即興に別次元の自由を見つけたのだ。
日本に紹介されたその数年後の80年代前半には既に、free improvisationのミュージシャンたちは同じような即興を繰り返すばかりで、つまらなくなったと囁かれはじめた。流行はすぐに終わってしまう。しかし彼らの情熱は流行とは無縁のところにある。もてはやされた途端に「開放感」は消え失せる。
最近、ヨーロッパのフリー・インプロヴィゼーションの内部で密かな変化が起こっているとすれば、ストリングスの僅かな表現の拡張にあるように感じている。サイン波などのエレクトロニクスの新鮮さを、それと分からないように上手く取り入れている。あるいはそう感じてしまうぼくがいる。
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazz/jon3/foclio.shtml
「SWITCH 6月号」の大友良英、杉本拓らのインタビューを読む。
「 松原 にいたっては完全に等身大。よく言っているんだけど、自分を大きく見せるのはイヤだ、小さく見せるのも嫌だけど、そのまんまでいいって。なんでアーティストってみんなプレゼンするの?ってね」(大友良英)大友良英が普通にギターを弾いているCDがあったら聴きたくなってきた。「自分でも最近やっとこうして言葉で説明してわかってきた感じだけど、わかりだすとまた次を探している自分がいる。」( 大友良英 )
「別に何かを削ぎ落としているわけじゃなくて、逆に存在感を出したいんですよ。何もないところに音があったとして、それは凄い存在になりますからね。」( 杉本拓 )
「ギターケースぱっと開けて弾くっていうのが理想ですよね。」(杉本拓)
「間」のある即興。緊張感とリラックスが同時に存在する。
「5つの影」。そう、この間接的な抽象性がぼくの心にはピッタリくるんだ。
弦楽器だけでこれだけ音の種類に富んだ自由即興演奏は少ないのではないだろうか。渋い一枚。ラッパの付いたバイオリン、Stroh violinの音はなにかしら郷愁を感じる。Stroh 'one-string fiddle'は写真に載っているけれど、violinofonとはどんなバイオリンなんだろう。
一方、
INCUS
RECORDSからは、
・COMPANY: 5 CD (INCUS CD41)
・COMPANY: Epiphany 2CD (INCUS CD42/43) 推薦盤
の2点が再発されている。それに加え新しいカンパニー、COMPANY: In Marseille 2CD (INCUS CD44/45)も出ている。
先の2点はどちらも 昔LP で 聴いているのだが、あのときの、衝撃をともなった新鮮さが今でも失せていないことをCDで確認してみたい。特にEpiphanyは日本人ミュージシャンの2人、Motoharu Yoshizawa (bass), Akio Suzuki (glass harmonica, analapos, spring gong, kikkokikiriki)の参加していることで、より懐かしく、より愛着のある、内容的にも非常に素晴らしい作品だ。COMPANYのひとつの頂点ではなかろうか。
生前の吉沢さんからカンパニーの体験のことをお聞きする機会がある。十数年前のことだったったと思う。憧れのデレク・ベイリーからカンパニーウイーク(イギリス)に来ないか、との連絡を受けた時の喜びは相当なものだったようだ。話をされる吉沢さんの輝くような顔を忘れることが出来ない。小さいけれどもリアルな音が霧のように床からゆっくりとゆっくりと上にあがってくる。夢のような、それでいて覚醒している心地よさ。そんな音と場の空間で即興演奏したのは初めてだったし、至福の体験だったという話を聞いた。
インターネット・バブルがしぼんできて、気持はちょっと一休みしたい気分、それと裏腹にCDの発売が多すぎる。
この普通の感じが良い。
「ユリイカ」5月号に載っているリチャード・フォアマン「『素粒子論』へのプログラム・ノート」の冒頭を思い出す。「演劇がなすべきことはこれだ----決して表現しようとせず、対象をいっそうそのものにすることである(以下略)」既知の成分を侵入させないやり方。だからこそ信用できる。
ベイリーに興味を持ち始めて以来、ちょっと飽きたかなという時期が周期的にやって来る。気がついてみるともう20年以上のファンなのだから、自分でもビックリする。飽きぽい性格なのにこれはどうしたことだろう。今はまた興味が湧いてきている時期にさしかかっている。砂嵐のような音を聴くのは初めてだ。不完全燃焼の演奏に新鮮さ感じたりする。完全燃焼するベイリーの音に内在する完結性にアレルギーを起こしていたのだろう。それが単純にいい演奏なのかどうかを判断する価値基準が複数存在してくる。今まで自分が持っていなかった新しい価値基準が自分の中に生まれてくる。視点の移動が起こる。こんな変なことを感じたり考えたりしているのは自分だけなのかなぁ、それとも、みんな同じようなことをいろいろ考えたりしているのかなぁと思ったりする。それもまたフリー・インプロヴィゼーションを聴く楽しみのひとつだ。エディ・プレヴォーの軋むような音もいい。
野外での録音。様々な野外の音が即興演奏と一緒に録音されている。 mesostics から出ている「デンマーク直観音楽コンフェランス1998」MESCD-0006(CDR) の残響音の中での演奏の方が自然な感じがしてぼくの好み。
http://www1.ttcn.ne.jp/~improvised.co/other labels_intuitive.html
アコースティック・ギターのソロ。弦の途中に何かを挟んで琴の音のようにしたミニマルな演奏やミュートした音の出し方に独自性がある。デレク・ベイリーの影響が色濃いが、よりやさしい感じの音が耳に心地よい。強烈さには欠けるものの、ベイリー・スタイルの新しいギタリストの出現がぼくにとってとても嬉しいことだ。この先どう変化していくのか、それもまた楽しみである。
●Tsunoda Toshiya / Extract from field recording archive #2: The air vibration inside a hollow[Hapna H.1]
瓶や空洞内部から聴いた外界の音。何かが詰め込まれるはずの瓶の中にマイクロフォンが仕掛けられ、外界の音が採集される。共振する音が独特である。自分の耳に底を抜いた空き瓶をあてがって、瓶口から世界の音を聴いてみたらやっぱりこんな音がするのだろうか。気の短いぼくは1曲1曲がもっともっと短いか、待つのではなくて探索するやり方であれば退屈しないのになぁと思う。
小さいものだったら高い音が共振するし、大きな空洞を取り付けたら低い音が共振するし、材質そのものも固有の振動をするのだろう。マイクでなくて本当の耳にいろいろ取り付けてみて実験したら面白そうだ。ヘッドフォンみたいに耳に取り付ける装置を頭の中に思い浮かべてみる。歩くのに邪魔になって仕方ない。耳そのものを瓶の中に入れるという手もあるが、それでは夢の世界になってしまう。
Hapna
はスウェーデンのレーベル。
http://www.hapna.com/
上の2枚のCDは国内では、
Improvised Company
から入手出来る。
http://www1.ttcn.ne.jp/~improvised.co/
音の冒険〜European Free Improvisation〜
◎シュテファン・コイネ&ジョン・ラッセル at せんだいメディアテーク
4月15日(日)18:30〜「音」だけが作り出せる冒険の領域が。さらに、聴き手と場とが加わりそこには特別の時間があるということをこのコンサートは教えてくれた。
少しだけ日常を忘れさせてくれ、心を軽くしてくれるもの・・・。どんなジャンルの音楽でも僕たちはそれを「日常」にたぐり寄せてそれを自分の楽しみとして消費しつくしてしまう。だから(くどいようだけど、)「音楽」と呼ぶんだろう。
副題の「音の冒険」という意味が不遜ながらコンサートが終了してから気づかされた。シュテファン・コイネの即興的なソプラノサックスの連続した音の連なりとジョン・ラッセルの早引きかつ力強い(3回はスチール絃を切った)音がメディアテークにいた聴衆を「音楽」ではない「音」で、「音楽」では出来ない「音の冒険」に連れ出してくれた。音楽のライブだけが持つ精神性や躍動感はすでに超越して、ふつうに考える冒険に限りなく近いスリリングな体験がここにはあった。
仙台でこのコンサートが出来たことを、何十人かのお客さまと聴けたことを、関係者の皆様すべてに感謝します。有り難うございました。
おかげで、また少し「日常」という退屈さと向き合える勇気が増えたような感じです。
(コンサートの翌日に。プロモーション担当:小出尚喜@punto)
夢のように素晴らしく、気持がとろけるような自由即興の世界。ぼくの心が求める、憧れる世界がここにある。奥行きのある空間の中で、じわじわと、それぞれが独自の方向性の音を出しながらも、自然界の雑音のように調和している。どの音も一斉に同じ方向に向かうことは決してない。無秩序の秩序の安定が心を落ち着かせる。いつまでもこの音雲のなかでくつろいでいたい。
1973年の録音。5曲のうち2曲3曲目のSUSTAINED PIECE が特に興味深い。インストルメンタルとボーカル入り。題名どおり音が長く引き延ばされた演奏。後のボーカル入りの方が神秘的なムードがあって面白く感じた。4曲目のONE-TWOのとぼけた感じもよい。けっきょく最初の曲以外はMEVのような現代音楽の即興みたいな感じ。そこがこのCDの良いところ。
バーバー冨士
http://www.bekkoame.ne.jp/~fj0770/
コントラバス奏者の森定道広さん からアートデザインされた大きなケースに収められた3枚のCDが届いた。「Contrabass is not Contrabass」全3巻の発売にあわせてスタートした企画の『 JINKAI NET 』の1つがぼくのところから始まろうとしている。20年くらい前に聞いた 森定道広さん のコントラバスの音はこんな感じだったのかな、それよりもずっと抽象的な音の自由即興のような気もする。
今日はjazz&NOW発祥の地、仙台でのコンサート。日本国内に於けるfree improvisation の紹介が、また新たに始まった。すべては振り出しに戻る。いつもゼロからの出発だ。そのような種類の音楽なのだろう。そう思えて仕方ない。岡山まであと一週間。ぼくの心も振り出しに戻る。jazz&NOWとの、そしてフリー・インプロヴィゼーションとの新たな出会いが始まる。
これほどまでに何もかもを振り出しに、原点に戻してくれる音楽は、ほかには決してない。人の心に容易には住み着かない。だから「冒険」がある。掴みきれないほどに、すれ違うほどに憧れる。
バイオリンの組み込まれたはたおり機の前に座って足でペダルを操作しながら手にはバイオリンを持って弾いているという面白い写真のジャケット。2台のバイオリンのネックが対称に連結されたダブル・バイオリン?をこれまた二本の連結した弓で弾いている写真。支柱の先にバイオリンと弓がセットされていて下にはそれぞれ小さなラッパ型スピーカーがついている写真もある。どうやら自動演奏するようだ。
コラージュ仕立てのジョン・ローズにもちょっと飽きかけていたところ、シンプルな音のこのCDにはやられた。バイオリンを中心にしたいろんな面白い音の断片がどんどん出てくる。全体的にはミニマルなセンスの統一感があるような気もする。 The Kryonics [Emanem 4047] も聴きたくなってきた。
jon rose web
http://www.jonroseweb.com/
ジョン・ローズのページを見てたら、いっしょに写っている
Miya Masaoka
がまた気になってきた。まだ持っていないCDが出ていた。おかしいなぁ、どうして見逃していたのだろう。
http://www.henrykaiser.net/disco_seance.html
なるほど「気軽なジャムセッション」の中からは一瞬の閃きや輝きが生まれることはあっても、それは異次元の扉への石段になることは決してないだろう。退屈な日常に寄り添うか、音は意識と技術を置き去りにして記憶の彼方に雲散霧消していく。即興演奏でなくてはならないのが単独飛行の孤独を好む精神と操縦技術。それがなければムードだけのものになってしまう。
杉本拓の作品の中でぼくはどれが一番好きかな、傑作はどれだろうと振り返ってみた。1997年録音の「fragments of paradise」(CMDD-00063) が今のところ一番かな。最後の曲「A La Ligera �」は杉本拓の曲ではないが、大変に素晴らしい。
今後の作曲作品が楽しみになってきた。
・2001年3月30日(金)NO BLEND Vol.2「インプロヴィゼーションの起源と根源」
情報はここ
の参考資料がweb上に公開されている。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7526/noblend2list.html
やってくれました。デレク・ベイリー。フィードバックばかりのギターソロ。それに不思議な女性ボイスが加わったものと、最後にAlex Wardの声が入っている。デレク・ベイリーらしさというアレルギーから解放されている。後々まで語り継がれるCDとなるだろう。1971年の ファーストのソロ に匹敵する30年ぶりの快作。
月刊「タウン情報おかやま」4月号は、コンサートのページのトップにギターを弾くジョン・ラッセルの写真入りで大きく紹介してくれた。下のような文章。いつもながらなかなかよい紹介をしてくださるので有り難い。流石である。
4/22 醍醐味は「音を楽しむこと」
『音の冒険〜音楽からの逃走』
音楽ってこんなに不思議で自由だったんだ!と感じさせてくれる、シュテファン・コイネのサックスとジョン・ラッセルのギター。楽器が奏でる耳慣れた音をまったく無視した、実験的・自由即興的な2人の音のパフォーマンスは「音楽からの逃走」とのライブタイトルとは裏腹に、既成の音楽にまっ向から勝負を挑んでいるかのよう。リラックスした雰囲気の『カフェ・ドルチェッタ』で、臨場感ある未知の音を体験してみて。
(月刊「タウン情報おかやま」4月号より)
岡場春彦さんからライブとCDの案内が届いた。下に全文転載します。
-------
拝啓
桜のつぼみもふくらみ、宵のそぞろ歩きもなごやかな
季節となって参りました。
皆様にはますますご活躍の事とお喜び申し上げます。
さて、下記のとおり演奏会を催します。
皆様のご高覧を賜りますよう、お願い申し上げます。
---------------------------------------------
「岡部春彦 Solo Inprovisation」〜伝統と即興〜
内容:テナーサックス、バリ島の竹楽器(ティンクリック、
スリン)、篳篥による伝統音楽と即興演奏
ゲスト:朱鷺たたら(能管)、斉藤comezeau浩(ピアニカ)
日時:3月26日(月)、午後8時〜11時頃
場所:東京荻窪GOODMAN03-3398-3881
(JR荻窪駅北口出て右50m青梅街道渡り寿通り入るコンビニ
の隣2F)
料金:前売り1450円、当日1500円
(岡部もしくは岡部妻に一声おかけ下されば前売り料金にて
OKです。)
対バン:旧橋壮(ts)海道(b)Duo
--------------------------------------------
newCD発売のお知らせ
このたびMESOSTICSレーベルより、
『Lve at Shionoe Museum Okabe Haruhiko +Wakao Yu 』
が発売されました。価格は税込み1800円です。
ヤマハ高松、GOODMANおよび徳島県鴨島町Cafe au GoGo にて、
ご試聴の上お買い求めいただけます。
また、通信販売の場合は送料はサービスとさせていただきます。
**************************************************
サキソホン即興演奏、バリ竹楽器演奏、雅楽(篳篥)
岡 部 春 彦
〒760-0079 香川県高松市松縄町43-9
でんわ 087-867-5226 携帯 090-5270-8510
携帯メール hal-katu@docomo.ne.jp
FAX 087-837-1112 e-mail hag07566@nifty.ne.jp
**************************************************
-----
以上。
以下メールの情報部分を転載。
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昨年の暮れ、「森定道広 contrabass is not contrabass」
という3巻組(CDーR)を製作いたしました。
(全3巻/5000円+送料)
1979〜2000までの演奏をまとめたものです。
第1巻 SOLO ホンマツテントウ
第2巻 DUO〜TRIO きえるきこえる
第3巻 ENSEMBLE 丈夫な音楽
(共演者) 滝本孝男 saxophone 尾中泰雄 guitar
大沢利夫 piano
金野吉晃 saxophone,euphonium
出口煌玲 龍笛 みずほ vocal
劇団日本維新派 松本雄吉
桂勘 & Saltimbanqu
Anant NARKONG Thai's flute
http://www.d5.dion.ne.jp/~zmizuho
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ヨーロパのように日本の放送局にもクリエイティブな音楽や芸術に理解のある人が増えてきたらいいなと思う。
・ Alterations [Bead 9] (1978年)はLPレコードで持っているけど、・Alterations /Up your sleeve [!Quartz 006] (1980年)の方はすぐに廃盤になってしまったためにカセットでしか持っていないと言われていた。ぼくは偶然両方とも持っている。Alterationsの魅力は音楽と反音楽と真摯さと遊び心が混在していながらもなおかつスマートな印象があるところだ。1980と1983のライブ録音を収録したこのCD-R の中にも不可解で奇妙な世界が詰まっている。もちろんすべてfree improvisation 。
国内ではImprovised Companyから入手可能。
http://www1.ttcn.ne.jp/~improvised.co/
●Piero Chianura, Luciano Margorani/ La 1919 [MATERIALI SONORI,
MASO CD 90063]
Luciano Margorani: guitar, bass, loops, electric shaver
Piero Chianura: sampler and synthesizers
Roberto Zorzi
: guitar and zorzerie
Charles Hayward: drums, singing, keyboards
Chris Cutler: drums and found objects
Roberto Zorziのギターがいい。全体的にはもっと暗くて奇妙な人工性を期待していたけれど、現実的なドラムが入ってくると現実に引き戻されてしまう。1作目のLPの奇妙な音を思い出す。
ライブ録音77分7秒。熱い演奏だ。ジャケットデザインからして熱い。時にはこういった熱い音を聴きたくなる。パワー一辺倒かというとそうではない。様々な具体的な演奏力を存分に楽しむことが出来る。近くでこういうライブがあったら時々見に行くのになぁ。
無数の葉の一つ一つがきわめて迅速に相次いで切断されるために生ずる特殊な音はいろいろの事を思い出させた。理髪師の鋏(はさみ)が濃密な髪の一束一束を切って行く音にいつも一種の快感を味わっていた私は、今自分で理髪師の立場からまた少しちがった感覚を味わっているような気がした。それから子供の時分に見世物で見た象が、藁(わら)の一束を鼻で巻いて自分の前足のひざへたたきつけた後に、手ぎわよく束の端を口に入れて藁のはかま[#「はかま」に傍点]をかみ切った、あの痛快な音を思い出したりした。しかしなぜこの種類の音が愉快であるかという理由はどう考えてもわからなかった。音の性質から考えればこれは雑音の不規則な集合で、音楽的の価値などは無論無いものである。しかしあるいはこれは聴感に対する音楽に対立させうべき触感あるいは筋肉感に関する楽音のようなものではあるまいか。音自身よりはむしろ音から連想する触感に一種の快を経験するのではあるまいか。それともまたもっと純粋に心理的な理由によるものだろうか。あるいはひょっとしたらわれわれの祖先の類人猿(るいじんえん)時代のある感覚の記憶でないとも言われないと思ったりした。(青空文庫版・寺田寅彦随筆集第一巻「自然と生物」収録の「芝刈り」より抜粋。)
1992年の演奏。テナーサックスとソプラニーノサックス。エヴァンパーカーを彷彿とさせる。ややフリージャズ的な即興。1998年以降はソプラニーノに専念しているらしい。ソプラニーノの音にオリジナリティを感じる。
ジョン・ラッセルはアンプ無しのアコースティック・ギター、もちろんシュテファン・キュイネのソプラニーノ・サクソフォンも全くの生演奏。PAなども一切使わない。ギターらしい音もサックスらしい音もしないのだから、なんだか今からワクワクする。
TRENTE OISEAUX (GERMANY):
◎GUNTER, BERNHARD: Then, Silence CD (TOC 011).
MATCHLESS RECORDINGS (UK):
◎PREVOST, EDDIE: Silver Pyramid CD (MRCD40).
◎BARK!: Swing CD (MRCD41).
◎CHARAOUI/LELY/WRIGHT: 396. CD (MRCD42).
片面がJohn Russellのアコースティックguitar solo 、もう一面がRichard Coldmanのguitar solo になっている。1978年の録音。ぼくがこのLPを買ったのは1981年頃だから、20年前になる。デレク・ベイリーにそっくりな音である。だからといってラッセルのギターにオリジナリティがないということにはならない。既成のギターの音アレルギーから解放されるギター奏法はベイリー・スタイルがもっとも有効な手段なのだから仕方ない。それを超えるやり方にぼくは出会っていない。ベイリーばかりが話題にされるが、ジョン・ラッセルもベイリーにはない開放感を感じさせる素晴らしいギタリストである。ベイリーのギターが好きな人にはぜひともジョン・ラッセルも聴いてみてもらいたい。
現在入手可能なジョン・ラッセルの推薦CDを一枚。
・John Russell, Roger Turner /
Birthdays
[Emanem 4010]
ジョン・ラッセルは、デレクベイリー・スタイルのイギリス人ギタリストで。デレクの次にぼくのお気に入りのギタリスト。少しもギターらしくない細い針金細工のような音が複雑にハジける。シュテファン・コイネはドイツ人のソプラニーノ・サックスの奏者。今回初めてサンプル盤を聴いたところ、その小鳥がさえずるような音は、エヴァン・パーカーとはまたちょっと違った若々しく素朴でミニマルな魅力がある。
コイネ/ラッセルの短縮版のプロフィールが招聘元のjazz&NOWから届いたので以下に紹介しよう。
■シュテファン・コイネ (Stefan Keune/1965年 ドイツ生まれ)
ソプラニーノ・サクソフォンサックスのなかで最も高音域を持つ、ソプラニーノのスペシャリスト。当初はクラシッ
ク系の現代音楽を演奏していたが、1985年にローカルな即興演奏グループに参加
して以来、独自の即興演奏の探究に邁進している。1991年にはパーカッショニス
トのポール・リットン、ベーシストのハンス・シュナイダーからなる自己のトリオを
結成し、その翌年、最初のCD『ロフト』をリリースしている。エヴァン・パーカー
が現在最も注目するサックス奏者の一人でもある。初来日。■ジョン・ラッセル (John Russell/1954年 英国生まれ)
アコースティック・ギター17歳の頃より、リトル・シアター、ロニー・スコッツ、ICAなどを拠点とした初期
のフリーミュージックの現場に足を踏み入れ、1974年にインカス・レコードに最
初の録音を残す。当時よりロンドンのアンダーグラウンドな自由即興シーンを支えて
来た一人であり、ロンドンで最もロングランを続けている即興演奏を主体としたコン
サート・シリーズ『Mopomoso』を主宰している。これまでに、エヴァン・パーカー、
バリー・ガイ、ジョン・ローズ、マルタン・アルテナ、ヒュー・デイヴィス、ジョン・
ブッチャー、近藤等則をはじめとする多数のインプロヴァイザーとの共演盤をリリー
スしている。初来日。
シンプルなピアノの繰り返し。ぼくの思考よりもスピードは速い。機械的ではなく速さは変化している。川の流れをずっと見続けいているように、少しも飽きない。飽きるほどの複雑も作為もない。音は耳に心地よく、不思議な残響的うねりがある。奇妙な気持になってくる。
スクラップが積み上げられたようなゴチャゴチャとした音の世界がぼくを心を安心させてくれる。同じように、心のふるさとを感じながらこのCDを聴いている人が世界の何処かにいるのかな、と思うと可笑しくなってくる。Vertek Ensemble はデレク・ベイリーとのときよりもチャドボーンとの方がリラックスした自由がある。
Han Bennink
http://www.xs4all.nl/~hbennink/
エレキ・ギターのソロ。何とも不思議な音。グラスハーモニカの音にもちょっと似ている。オーロラの音が聞こえるとしたら、こんな音に違いない。これほどまでに神秘的で独創的なギターの音を聴くのは生まれて初めてだ。3枚CDを出しているようだ。他の2枚も聴いてみたい。
1971年、クセナキスの電子テープ音楽。開放的で自由な気持にさせてくれると同時に、敬虔な気持にもさせてくれる音はなかなかない。人間の作為的な世界から遠く及ばない自然界の生成変化を感じる。これ以上に人間的なことがあるだろうか。万物存在の深淵を垣間見た気にすらなる。名盤である。
●Derek Beiley, Gavin Bryars, Tony Oxley / Jseph Holbrooke '98 [Incucs CD 39]
もはや、こんな音からもぼくの心は逃げたがっているのだろうかと最初はふと思ったが、ああ、やっぱりいいなぁ。まだなんとか大丈夫だ。解き放たれたところへ逃げ出したくなる気持が起きないとき、音そのものが絶えず何者からも無縁な領域に逃亡しようとしている。
2曲目の最初のところによく聴くと電話の音がちょっと入っている。4曲目や5曲目や6曲目のようにリズムが入るとぼくの好みではなくなる。Sachiko Mが加わった1曲目と最後の曲が特に気に入った。
●Keith Rowe / HARSH, guitar solo [
GROB
209]
Matchless
のギター・ソロよりもこっちの方がずっといいような気がする。キース・ロウのギターソロは少ないので、ぼくにとって貴重な一枚になった。
●Chadlehn /
c inside
[GROB
205]
Eugene Chadbourne
-banjo,guitar
Thomas Lehn
-EMS analogue synthsizer
Chadbourneの相変わらずの音とThomas Lehnの今風の音の組み合わせが新鮮。チャドボーンの歌もいいなぁ。