U.競馬を科学する


1.競馬理論の模索




「競馬は儲からないものである」



 新たな競馬理論の構築のためにHPなり、本を読んでみた。本はある程度理論を載せているのだがHPで理論を扱ってるところはほとんどない。もっぱら予想に終始している。理論をHPに載せるということはただで情報を流すということだからあまり好ましいことではないのかもしれない。しかし競馬について考えるうちに「そんなあまいもんじゃない」というものがはっきりわかった。少々HPで書いたぐらいで競馬体系が根本から変わるようなことはないのである。このHPは来客者も少ないし(爆死)この章ではいろいろみてきた競馬に関する理論を書き留めておくことにする。



2.ギャンブルと確率

 まさかこの年になって確率の勉強をすることになるとは思わなかったよー(涙)もともと確率はギャンブルで勝つようにするために生まれたものである。ということはギャンブルをする上で確率を勉強することは非常に有意義である。むしろ素養である。投資競馬も確率論を基礎に組み立てられることが多い。というわけでギャンブルと確率についてみていくことにする。



3.確率とは

 確率とは「ある事象の中で特定の事象が起こる割合」である。こう書くとさっぱりだが確率で例としてよく用いられるのがさいころである。さいころは1〜6の目がでる(=ある事象)この中で1(=特定の事象)が出る割合は1/6であるということである。この1/6が確率である。では競馬における確率はどのように表されているだろうか。それが、的中率と出現率ということになる。



4.的中率と出現率

 競馬の人気による出現率は以下のようになる。


人気 出現率
単勝1番人気 36.5%
単勝2番人気 20.7%
単勝3番人気 11.8%
枠連1番人気 20.1%
枠連2番人気 16.2%
枠連3番人気 8.7%
馬連1番人気 15.5%
馬連2番人気 10.7%
馬連3番人気 9.8%


 ここに上げたのは一般に出回っている代表的なものであり、人気による出現率である。無論予想会社の「的中率80%」というのも言い換えれば出現率80%ということである。以下、出現率と的中率は同義としてつかっていくことにする。この表は、例えば単勝一番人気の出現率は「単勝1番人気は100Rに36Rは1着になる」ことを表している。



4.期待値

 では的中率の一番高い単勝1番人気にかければすむじゃないかという話になる。しかしそれで終わらないのがギャンブル確率論の深いところである。また高的中率を謳った予想会社の予想を買ってみるとマイナスなんてことも多々ある。これも競馬は的中率だけでは語れないことを物語っている。ギャンブル確率論の上でもう一つ重要な概念がある。それが期待値である。期待値とは「ある事象の中で平均的に期待できる数値」ということになるであろう。これまたなんのことかさっぱりだが、さいころを例にとって考えてみよう。さいころを一回ふって出た目の数だけお金がもらえるとする。1の目がでれば1円、6の目がでれば6円である。ではさいころをはじめて振ったときにいくらもらえるだろうか。一人で振れば1円かもしれない。2人で振れば2円と5円かもしれない。じゃあ1億人で振ったら?結論は1億人がさいころを振ると一人平均3.5円もらえることになる。無論1円の人もいるし6円の人もいる。また3.5というさいころの目はない。しかし平均してみると一人3.5円になるであろう。これが期待値である。お金を支払う主催者側は3.5億円用意しておけばいいということになる。計算式はこうだ。1×(1/6)+2×(1/6)+3×(1/6)+4×(1/6)+5×(1/6)+6×(1/6)=3.5。つまり期待値は、「出現する特定の事象×確率を合計したもの=期待値」ということになるのである。では競馬にこれをあてはめると何にあたるのであろうか。それが回収率ということになる。



5.回収率

人気 出現率 平均オッズ 回収率
単勝1番人気 36.5% 2.1 76.7%
単勝2番人気 20.7% 4.1 84.9%
単勝3番人気 11.8% 6.5 76.7%
枠連1番人気 20.1% 3.8 76.4%
枠連2番人気 16.2% 6.0 97.2%
枠連3番人気 8.7% 7.5 65.3%
馬連1番人気 15.5% 4.5 69.8%
馬連2番人気 10.7% 7.5 80.3%
馬連3番人気 9.8% 9.0 88.2%



 この表をみていこう。平均オッズがさいころの「目」にあたり、出現率がさいころの「出る確率」である。とすると出現率×平均オッズ=回収率ということになる。みて分かると思うがどれも100%を超えるものはない。そうこれが世界で最も高いといわれるJRAの控除率25%のせいということになる。



6.控除率25%

 控除率25%。つまり賭金の25%は胴元にピンハネされて残りをみんなでわけるということである。これがあるかぎり馬券を買えば買うほど理論的には回収率は75%に近づいてしまう。上記の表で、回収率100%を超えるものがないのはまさにこの壁のせいである。確率論に立脚する競馬はこの控除率25%との戦いといってもいいであろう。これがもし欧米並みの水準、控除率15%だったなら上記の投資法で回収率100%を超えるものがでてくるはずである。表では枠連2番人気があと少しで100%に到達しそうな勢いである。理論的には75%に近づくのであるからこれから先さがっていくのかもしれない。しかし75%と比較してもかなり高い数値を確保している。これが確率の誤差の範囲なのか、それともなんらかの要因が働いて高い率を保持しているのかはわからない。もし後者であるならなんらかのつけいる隙があるはずである。そのつけいる隙を探すために試行錯誤するのである。



閑話休題−控除率25%と控除率55%−

 前者が競馬、後者が宝くじである。回収率75%の世界で回収率150%を達成するのは打率2割の世界で打率4割を達成するようなものだ、という表現がある。長嶋、イチローといった天才といわれるバッターをもってしても4割は不可能である。ということは回収率150%は不可能な話なのかもしれない。しかし回収率120%なら打率3割ぐらいか。打率3割の打者なら多少は存在する。ということは回収率120%なら努力すれば達成できるかもしれない。そんな夢をみつつ馬券にとりくんでいるのであるが。控除率25%でこういう状況であるということは、控除率55%の世界、つまり宝くじの世界では完全に努力が及ばない世界であるといえよう。いくらがんばっても回収率が100%を超えることはできない。「運」頼みになる。宝くじは神様に祈ろう。無論1等が当たれば回収率100%など「あっ」ちゅうまである。しかし25%というのは大きい。何人も立ち向かっては敗れている壁である。はたして攻略できるのであろうか。



7.マーチンゲールの法則(倍々法)

 第一章でもでてきたマーチンゲールの法則。いわゆる倍々プッシュである。理論的必勝法、実践的必敗法といわれるこの理論も必ずとおる道であるから少し詳しく検証してみる。




  投資金(円) 損金(円)
1レース目 100 100
2レース目 200 300
3レース目 400 700
4レース目 800 1500
5レース目 1600 3100
6レース目 3200 6300
7レース目 6400 12700
8レース目 12800 25700
9レース目 25600 51300
10レース目 51200 102400



 倍々法は理論的必勝法といわれるだけあって確実に利益がでるように設定されている。オッズ2.0倍以上の場合次に倍賭けするのであるから当たれば前の損失は全部帰ってくる。しかしなぜ実戦でつかえないのか?これが確率論に依存する限り避けては通れない確率の偏り(以下確率の罠)による。確率は大数の法則のもとになりたっている。大数とは無限回である。無限回からみれば1日12Rの施行は微々たるものである。とするとその日一回もでなくても次の日8R単勝一番人気が1着をとれば確率的にはなんら間違っていないことになるのである。もっと幅を広げれば極端な話、1年の前半で一回も出ずに後半6割の確率ででても確率的にはなんら間違っていないのである。問題なのは個人の懐具合ということになるのである。懐具合が確率の罠を突破できないと「パンク」してしまうのである。上記の例では10レース目まではずれつづけると102400円の資金が必要となる。そこまで金を用意して当たる保証は「全くない」。そうして当たった場合の利益は「100円」である。「10万預金してください。元本は保証できません。でも0.1%の利息をおつけしましょう。」だれがこんな銀行に預けるのであろうか。マーチンゲールの法則は次の3つのことを教えてくれる。一つは回収率の重要性と同じくらい的中率も重要であるということ。もう一つはどの期間をもって確率適用期間とするのか。最後に資金をだんだん増やしていく投資法は破綻する、の3つである。



8.初当たりの確率

 一つ目の問題について考えてみる。これには初当たりの確率を検証してみると良い。初当たりの確率。つまり何回目で初めて当たるかということである。計算式は積分になっていやーんな感じなので省略し、結果だけ書く。1/Pの確率で当たるものについて初当たりをみるまでに、50%、つまり半分の確率で当たるためには0.6*P回の施行が必要である。90%の確率、つまりほぼ確実にあたりを引きたければ2.1*P回の施行が必要であるということになる。つまり確率36.5%の単勝1番人気を90%の確率で当てたければ6回は投資しなければならない。6回以内で当たれば「普通」6回よりおおければ「引きよわ」ということになる。
 均等投資では投資にならない理由がここにある。つまり600円投資して初めて90%の確率で当たるのである。仮に6回目で当たったとしてオッズ2.0倍だとすると400円のマイナスである。マイナスが増える一方である。だからこそマーチンゲールの法則を用いて投資しなければならないのだが、ここにも落とし穴がある。つまり6回投資して当たる確率は「90%」なのである。残りの10%は外れる。外れて2まわり目に入り、6回投資してまた10%の確率をひくと、投資額は100円×2の12乗ということになってしまう。そしてこのようなことは日常茶飯事なのである。



9.初当たりの重要性

 初当たりはあたりまえだが早く引くほうがよい。なぜなら「人のふんどしで相撲がとれる」からである。例えば競馬を始めて1R目で当たった人も10R目で当たった人も得られる利益はどちらも100円である。しかし当たった人は、当たった資金を次からのレースに投入できる。もっというと「転がせる」。また今日は勝ったからという理由で1Rだけで切り上げることもでき、その日たまたま以降のレース全部はずれというような場合にそれを回避することができる(無論当たることもある)。一方10R目で当たった人はそれまでの資金は全部自分の懐である。自分の懐で勝負する人と人の金で勝負する人では気の持ち方が全く違う。9Rまではずれてくると「今日はもう当たらないんじゃないか」という気になり次であたるのに帰ってしまうということにもなりかねない。パチンコにおいては初当たりは特に重要視される。早く当たれば持ち玉でパチンコができる。パチンコは玉を交換するときに控除される。玉を買うということは交換比率の分だけ損をするということである。ということは買わずに出てくる玉で打つことができれば控除率を考えなくてすむのである。初当たりの確率を上げるためにはいうまでもなく的中率を上げなければならないのである。もし的中率80%なら90%の初当たりをみるまでにかかる回数は3回である。80%の的中率を誇る予想があればマーチンゲールの法則でもパンクしないですむであろう。



10.初当たりが教えてくれる警鐘

 初当たりの確率を50%に下げてみると単勝1番人気の施行回数は約2回。ということは2回やれば50%の確率であたるはずなのにあたらない。そんな日は「運が悪い」「ひきよわ」と思ってさっさとやめるのが吉である。しかし実際は「次はあたるかもしれない」「もうちょっと」「ねばればおっけー」という人が多いであろう。ギャンブルにおける引き際、初当たりの確率はそのことを理論的に示してくれているのである。



11.確率適用期間

 問題その2についてみていこう。的中率80%で回収率105%の予想と、的中率10%で回収率300%の予想。あなたはどちらを選ぶであろう。私は前者を選ぶ。例えば一日の的中率が80%と10%とした場合、前者は9R後者は1R当たる計算になる。前者は遅くても4R目までに当たる。後者はひどいと最終レースということになるわけだ。例を示す。




レース 的80%回105%   的10%回300%  
レース数 投資金(円) 払戻金(円) 投資金(円) 払戻金(円)
1レース 100 100
2レース 100 180 100
3レース 100 110 100
4レース 100 120 100
5レース 100 110 100
6レース 100 130 100
7レース 100 140 100
8レース 100 100
9レース 100 140 100
10レース 100 110 100
11レース 110 100
12レース 100 120 100 3600



 ちょっと極端な例かもしれないがこれも確かに的中率80%回収率105%、的中率10%回収率300%である。表をみてみると。回収率300%の方で払戻を受けることができるチャンスはたった「一回」ということになってしまう。昼に友人から電話掛かってきて夕方から遊ぼうと誘われた場合12Rできないようなこともあるかもしれない。また逆に朝の1発目1レースに3600円がでて以後でないときなど、昼からWINSなり競馬場にいく人もまたあたらない。そんなとき回収率は「0%」になってしまう。一方的中率80%の方は半分でやめてかえると回収率108%、理論値よりも高い。また的中率10%のほうは11Rまで自分の懐である。一方的中率80%の方はほとんど懐から資金がでていないということがわかる。無論朝から晩まで競馬場なりPATなりで全レース買える人間なら問題なく回収率300%のほうであろう。しかし職業的馬券師でないかぎりそんなに馬券を買えない。われわれが馬券を買う際はこういった諸事情を考慮しなければならない。理論と実践の差は人間がおぎなってやる必要がある。
 さて本題である。この例では一日を基準にしてみた。しかし実際このようになることはまれであろう。例えばこのような現象が2日にかけて起こった場合はどうか。また1開催、1年というスパンで起こるかもしれない。そんなとき的中率10%のほうは確実に「パンク」する。的中率、回収率を考える場合この確率の適用期間をどのようにするかを考えなければならない。もし1開催というスパンで確率を適用するならある1日の的中率、回収率が0%であっても他の日にそれをとりかえす日があれば理論的になんら間違っていないことになる。しかし実際問題パンクの危険にさらされるわけであるから、的中率80%の方を採用すべきであろう。一方、一日というスパンで考えて結果がでるのであれば、回収率300%の方を採用するべきである。これが回収率だけでなく的中率もまた重要であることを示している。



12.確率適用期間が教えてくれる警鐘

 「今日は用があるから3レースしかできないな」「朝眠いから昼からいこう」こういう日は競馬をしないほうがいいということになる。自分が用いる確率がどれくらいの期間実施すると確率の値がでるのか。まずそれをみきわめなければならない。過去のデータを検証しても良い。そうして確証が得られたらその期間どおりにやることである。期間を変更すれば確率どうりに物事は運ばなくなるのである。



13.パンク

 問題その3についての論点である。パンクとは「資金が尽きること」である。競馬をするような人間は大概金がない(笑)馬主は除くが。そういう人間が競馬をするための資金はわずかなものである。そんな懐でマーチンゲールの法則を用いるのは理論の要求に懐がこたえていないことになる。しかし懐が答えている場合にもダメな場合がある。例えば10レース以上外れたとしよう。100円からスタートしても17レース連続で外れると賭け金はなんと1000万以上になる。午前中のレースの投票金額は大体数千万である。それなのに1000万も賭ければオッズは1.0である。マーチンゲールの法則で理論的には回収できるはずなのに実際はオッズが下がって回収できないのである。増額投資はやがて破綻する。そのことをマーチンゲールの法則は教えてくれる。



14.倍々プッシュが教えてくれる警鐘

 資金をだんだん増やしていく投資法はやがて破綻する。一見あたりまえでだれもやらないことのようにみえるが、普段競馬する人は気づかないうちにこれをやっている。例えば「負けが込んできたから次どーんと張ろうかな」「電車賃ぐらいは稼がないとなあ」「競馬新聞買ったしそのぐらいは」こう思っている人が多いだろう。これが破綻の種である。マイナスを背負うと人は無意識にオッズの高いほう、オッズが同じなら金額を増やそうとする。これは無意識にマーチンゲールの法則をやっているのである。賭ける金額は鉄の自制心で常に一定に保たなければならない。当初予定額を守らなければならないのである。勝負レースだからといって賭け金をどんと増やすのもまた倍々プッシュなのである。



閑話休題−投資法と予想法−

 投資法と予想法。これは別のものである。前者は主に資金配分の方法を指し、後者は勝ち馬を当てる方法をいう。しかしこのコーナーではまとめて「投資法」として扱う。めんどいから(ぉ。どの馬券を買うのか、それに対してどう資金を配分するのか。これからもこの2つをまとめて投資法ということにする。



15.ココモ式

 マーチンゲールの法則を勉強するだけでいろいろとみえてくる。なんだかんだいってもマーチンゲールの法則は基本である。ではこれから、他の投資法をみていくことにしよう。ここではココモ式投資法を検証する。ココモ式とは負けた場合次の賭け金をあらかじめ定められた金額どおりに増額していく方法である。

 ココモ式の条件
 @オッズ3倍超の馬券を対象とする。
 A賭け金の増やし方は以下の数字にのっとる。
 1−1−2−3−5−8−13−21−34−55


 外れたら数列のとおりに賭け金を増やす。一回目外れたら二回目は賭け金×1、三回目は賭け金×2という具合である。当たったら最初に戻る。また10回連続で外れてもリセットするようにする。負けても最大は143×初期投資額ということになる。

 ココモ式の利点
 @マーチンゲールの法則より投資金のカーブが緩やかになる
 A10回目でリセットがかかるためそれ以上損金が拡大することがない。
 100円スタートなら14300円の損害までである

 欠点
 @対象がオッズ3.0倍を超えていないといけない
 Aリセットをかける事態になると回収が困難

 やはり増額投資法はマーチンゲールの法則と同様の欠点を抱える。マーチンゲールの法則にくらべ、高い的中率をほこる予想法があれば十分実戦投入しやすいだろう。



16.モンテカルロ式

 モンテカルロ式は少し毛色の違った投資法である。3倍以上の配当馬券が対象となる。これはまず1,2,3の数字を書き、その両端の2つを足した金額を購入金額とする。この場合は1+3=4であるから4が初期投資額である。はずれたらその投資額4を加えた数列1,2,3,4に対し、両端の数字を足した金額を次回投資額とする。この場合は5である。はずれた場合はこのように投資額を増やし、当たった場合は数列の両端の数を消す。2回目であたったら1と4を消すわけである。そうすると残った2と3を足した5が次回投資額となる。これを繰り返し数字が1つか全部なくなったらリセットして1,2,3から再び始めるのである。数字が1つ残るか消えたときに利益がでるように設定されている。

モンテカルロ式の利点
@ココモ式よりさらに賭け金がゆるやかになる

欠点
@当たっても一度で全部損を回収できない
A対象オッズ3.0倍以上でなければならない


 モンテカルロ賭博上で胴元を破産させたことからこの名がついたらしいが、投資金が少ないときにはおすすめかもしれない。しかし私の場合、初期資金にかなりの制約をもうけているのでモンテカルロ式でも要求にこたえれない(情けない話であるが)



17.変則マーチンゲールの法則

 ココモ式をもう少し柔軟にすると変則マーチンゲールの法則になる。オッズにあわせて賭け率を変化させていく。一回目外れて二回目オッズ3.5なら次回賭け金は100円か200円かを自分の懐と相談する。さらにはずれて三回目オッズ4.0なら100円〜400円いくらでもよい。少なければ当たったときの利益が減るだけである。リセットをかける時期は自分で設定してやる。実戦でつかえる増額投資法としてはこれがもっとも適しているのではなかろうか。

変則マーチンゲール法の利点
 @ココモ式より投資金の柔軟な対応ができる

欠点
 @リセットをかける事態に陥るとココモ式より回収困難

 しかし第一章でみてきたようにこの方法でも実戦ではやはり多額の資金が必要となることが判明した。持ち金の範囲内でできる投資法を模索する必要がある。



18.均等投資

 1章で均等投資では儲からないと書いたにもかかわらず、増額投資法はだめだという結論に達したため結局はここに戻ってきた。これはいたってあたりまえの投資法である。最初に賭けた金額と同じ金額だけ延々賭け続けるのである。どんなことがあっても増やさない。減らさない。だがやってみるとわかるがこれが意外と苦痛である。これはいけそうだなと思うレースがあったら人間心理としてはどうしても金額を増やしたくなる。その気持ちは破綻につながるとマーチンゲールの法則のところでも述べた。増額投資法がやがて破綻の憂き目をみるのであるなら、やはり定額投資法しかないということになる。そしてこれからの理論はすべてこの定額投資法を基礎として組み立てることになるのである。



19.テンパーセント投資法

 均等投資法はいたって「普通」である。買っても負けてもクールである。それに色をつけたのがこのテンパーセント投資法である。これはその日の持ち金の10分の1を常に賭けるというものである。例えばその日の軍資金が30000円だとしよう。1レース目は10分の1、つまり3000円賭ける。はずれたら次のレースは持ち金の10分の1、つまり2700円という風にかけるのである。当たった場合、例えばオッズ2倍がヒットして3000円の払戻をうけたなら、手持ち金は33000円である。そうすると次のレースは3300円賭けるのである。こうすればまる一日レースできる。負けだすと取り返すのが大変だが、勝つと雪だるま式に勝てる。

テンパーセント投資法の利点
@勝つときは雪だるま式に勝てる
A負けても最初に持っていった金額までである

欠点
@負けると損を取り返すのがむずかしくなる

 この方法は実に優れていると思う。実は今現在これを少し改良してつかっている。



20.投資対象とするデータ

 投資法は大体以上に挙げたようなものである。結論として均等投資がBESTという結論に今もってはおちついている。それは今使用している投資対象が、均等投資法を基礎として選択されているからである。そう、投資競馬は投資対象にあった投資法を選択しなければならない。そこで投資競馬の「みそ」である、投資対象を選択する基礎となるデータみていこう。ここでは数値を基礎とするものを投資対象とする。一般に公開されてるので当り障りのない部分にふれてみる。



21.人気と確率

 繰り返しになるが人気によるデータというものは比較的安定している。よって投資対象としては入手しやすいデータであり、信頼度も高い。問題はそれをどのように「投資」に結びつけるかであるが。とりあえず人気によるデータを示してみよう。


人気 出現率 平均オッズ
単勝1番人気 36.5% 2.1
単勝2番人気 20.7% 4.1
単勝3番人気 11.8% 6.5
単勝4番人気 9.0% 8.6
単勝5番人気 8.0% 11.4
単勝6番人気 4.9% 15.4
単勝7番人気 3.4% 20.7
単勝8番人気 2.7% 27.6
単勝9番人気 2.2% 33.0
単勝10番人気 1.7% 37.4
単勝11番人気 1.1% 50.3
単勝12番人気 0.9% 62.8
枠連1番人気 20.1% 3.8
枠連2番人気 16.2% 6.0
枠連3番人気 8.7% 7.5
馬連1番人気 15.5% 4.5
馬連2番人気 10.7% 7.5
馬連3番人気 9.8% 9.0
馬連4番人気 7.2% 11.8
馬連5番人気 5.7% 13.5
馬連6番人気 4.7% 16.6
馬連7番人気 3.9% 18.2
馬連8番人気 2.8% 24
馬連9番人気 2.6% 27.1


 と、まあざっとこんな感じである。人気を投資対象とするのはダメだという本もあるが、1〜3番人気の出現率が60%を超えるのであるなら、これを投資対象に加えずして馬券は成り立たないと思う。しかしよくみてみると、馬連1番人気ですら的中率15%、馬連9番人気にいたっては3%以下である。冷静になってみると馬連がいかに当たらないかというのが良く分かると思う。だからこそ馬連では多点買いが必要となってくるのである。



22.的中精度

 上記の表のどの部分に投資をしても100%を超えることはできない。ではなぜ超えないのか。それが控除率のせいであることは述べた。ではどうやれば100%を超えるか。回収率の式をもう一度みてみると、回収率=的中率×平均オッズ、である。平均オッズは1.0より下がることはない。とすると的中率をあげると回収率は自然にあがる。その分平均オッズは下がるであろう。的中率100%の予想は理論的には平均オッズ0.80になるのだが、オッズは1.0を下回ることがないため100%の予想があれば損はしない。だがそんな予想は不可能である。ではどのように的中精度を高めていけばよいのであろう。もっともそれが見つかればなんの苦労もないのであるが(苦笑)



23.馬連の考察

 では馬連について少しみてみよう。馬連の的中確率は非常に「悪い」。18頭のフルゲートなら、153通りの買い目が存在する。平均的な的中率は0.65%である。よくよく考えてみると当たる気もしない。馬連1点勝負がいかに当たらない確率のもとにあるかがわかるだろう。もっともいつも18頭のフルゲートというわけではないし、上位人気と下位人気では出現率に差があるため必ずしも0.65%というわけではない。あくまで平均である。みてみると馬連1番人気が15.5%、馬連2番人気が10.7%、馬連3番人気が9.8%。全部足すと的中率が25%にまで達する。3点買いで的中率25%になるのである。しかし3つの平均オッズは7.0であるから回収率は(0.25×7.0)/3=58%である。100は超えない。表にでている情報の組み合わせで回収率100%というのはやはり難しいようである。また上位人気の出現率が高いということはそのまま下位の出現率低下ということになるのがわかるだろう。



24.単勝か複勝か馬連かワイドか

 投資対象をなんで買おうかいうこともある。的中率重視なら複勝ということになるし、回収率をあげようとすると馬連ということになる。馬連は回収率高いのか?ということになるが、やはり回収率はよくなる。みんなの買わない馬券を買うわけであるから、回収効率からすると非常によいのである。しかし反面的中率はがくんと落ちる。こうした点を踏まえ、独自の競馬理論を構築していくことになるのである。



25.投資対象の選択 1.出目論

 馬券投資論における、投資法とならぶ重要な要素、それが投資対象の選択である。ここからは今まで自分がみてきた理論についてみていくことにする。結論から言えば今採用しているのは「オッズ分析」であるが、それは最後にしてまずは出目論から。
 出目論は「この目がでなかったからそろそろでるだろう」「今日は大安だからこの目が出やすい」「1Rはこの目がでやすい」「2番の馬を軸にするなら5番の馬がくる」といったものに立脚して馬券を買う方法である。例えば1R目は2枠の馬がきやすいということになると、1レース目は2枠をからめて買うのである。つまり最も確率論に立脚した方法であるといえる。出目論については手をつけていないので詳しいことを知りたい人は出目論の本を買ってもらうとして、ここでは出目論について思うことを書いてみる。出目論は確率論であるから、確率論からいけばその目がしばらくでなければ出る確率は高くなる。各枠や各レースで確率的によく出ている目というのも実際としてあるみたいである。それはコースの特性とか枠の有利不利とかいった要素が関連しているのであろうか。そういうことからみると出目論も「一応有効」ということになる。だがやはり確率論ということは今までのべてきた確率に関する問題をすべてしょいこむ。とすると、1レース2レースといった短いスパンで出目論を適用することはできないし、そうなると「全レース」監視していないといけないということになる。これは馬券を買う上で非常に負担である。また、今まで出にくかった目は未来永劫出にくいとはいえないというのがある。同様にしばらくでないからそろそろでるともいえない。つまり足元があいまいで豆腐の上に立っているような感じになってしまう。結局出目論はいろいろな検討を加えた上でそれでもわからない場合に利用する最後のフィルター的な使い方が最もよいのではなかろうか。ちなみに出目論でやると穴馬でも目をつぶって買うことができるため、たまに万馬券をGETできる。出目論をつかってこのたまの万馬券をゲットしてしまった人は、出目論にはまってしまうのであろう。逆にいうと出目論でなければ万馬券がとれない場合もある。万馬券とはみんなが買わない馬をかわなければならないからだ。しかしそいういう買い方は投資という観点からは適当ではないということになる。



26.投資対象の選択 2.タイム理論

 馬はどのくらいの速さで走ることができるか、という前提に基づいて予想するのがタイム理論である。実は私は予想する上でこの理論がもっとも優れているのではないかと思っている。例えば我々がいくらがんばっても100M走でカール・ルイス(古いか)に勝つことはできない。なぜなら100Mを9秒台で走る能力がないからである。同様に馬も100Mを5秒で走れる馬には100Mを10秒で走る馬は勝つことができない。その馬その馬走ることのできる最大速度ってのがある。それに注目してもっとも速く走れる馬を馬券対象としようというのがタイム理論である。いわれてみればもっともである。実際この理論が出た当時は馬券もよく当たったらしい。しかしこのタイム理論を根底から覆す事態が生じたのである。
 タイム理論は「馬は全力で走るもの」という前提に基づいている。とすると「全力で走らなかった場合」タイム理論と実践との間にズレが生じるのである。これがスローペース症候群である。このおかげでタイム理論がはずれることが増えてきたらしい。全力で走らないのであるなら、多少最大速度が遅い馬でも勝つチャンスが生まれるからだ。そこでタイム理論側も最高タイムではなく平均タイムなり、馬場補正なりいろいろなファクターを組み合わせることによってこれを乗り越えようとしてきたのである。しかしそのおかげでもっとも重大な問題を生み出すことになる。平均タイム、補正指数を組み込めば組み込むほどその数値を出すのにかかる手間が倍増するのである。全レース指数を計算するのは並大抵の時間ではすまない。職業的馬券師ならまだしも定職をもって投資競馬をする人間にとってはこの指数計算にかかる時間というものは非常に負担である。ということでタイム理論はもっとも効果的な投資対象の選択法であると思うのであるが、その指数を出すための手間という費用対効果の観点からはもっと数値を入手しやすい投資対象を選択すべきだといえよう。



27.投資対象の選択 3.サイン

 JRAのアナウンスの中に勝ち馬が隠れているとか、今は5月だからメイのつく馬がくるとか、同じ名前が含まれている馬のどちらかがくるとか、そういった名前の語呂合わせで勝ち馬を見つける方法がサインである。JRAは勝ち馬を決めているからどこかに必ずそのサインが隠されているというのが根拠だが、これに関しては全く「根拠がない」ものである。大体サイン本がでるのはレースが終わったあとであるが、終わった後であるなら実はどんな理論でも「当てる」ことができるのである。個人的にはこれをもとに投資をするのは破産しにいっているようなものだと思うが、それでも結構人気があったりする。それはやはり出目論と同様の理由で、人気薄の馬でも、もしこのサインにひっかかる馬がいた場合、目をつぶってその馬を買うことができるのである。だから「たまに」万馬券をGETできる。そうして万馬券をGETできてしまった人は、サインにはまっていくのであろう。万馬券は人の買わない馬券を買わなければならない。サインはその意味では優れているし、情報を入手しやすいかもしれないが、全く根拠のないものを根拠にしている点で、誕生日と同じ数字の馬券を買うというのと大差ない。投資という観点からは投資対象として選択するのは無理があるであろう。



28.投資対象の選択 4.順位理論

 馬柱にかかれている馬の順位を元に予想するのが順位理論である。人気、着順、通過順位いろいろな順位を元に予想を立てる。前のレースで一着を取った馬は今回もいい位置に食い込むというのはもっともである。この順位理論もおすすめである。利点は情報の入手のしやすさであり、指数計算もタイム理論と比べると比較的楽である。欠点は順位の「質」ということになる。強い馬と競ってとった順位と、弱い馬と競ってとった順位とでは順位の質に違いがあるからだ。この点を克服するためにレースの格による係数をかけたりして調整しているが、こうするとやはり指数計算にかかる手間が増えてしまう。私の場合、競馬新聞を買いに行くという手間すら惜しんでいるため、現在のところ採用していない。



29.投資対象の選択 5.正統派予想

 
 競馬予想における正統派、すなわち馬を見て買う方法である。予想という観点からはこれに勝るものはないであろう。しかしやはり馬をみるというのは時間がかかる。馬を見る眼というのと、その馬を追いかけるという2つの時間がかかる。投資競馬において必要とされる「情報の入手のしやすさ」の点でこの方法は捨てざるをえない。そこでこの馬をみるという方法は次でのべる方法と組み合わせると効果的だと考えられる。



30.投資対象の選択 6.他人の予想

 人のふんどしで相撲を取る。それがこの他人の予想である。上で述べた正統派予想も他人の予想を失敬するとよいわけだ。情報の入手しやすさではこれが一番である。欠点としては毎週予想が提供されるかの保証はないし、予想する人間がいつやめるかわからない。安定した投資対象とするのであるなら常に予想屋を探してその実績を検証していかなければならない。しかしながらこの方法はおすすめである。



31.投資対象の選択 7.オッズ分析

 現在投資対象として選択している方法、それがオッズ分析である。人の予想が終わったものを失敬するわけである。オッズ分析もいろいろな弱点を抱えているのだが、それは次章で詳しく検証していきたいと思う。



32.投資対象の選択 8.厩舎戦略

 競馬は厩舎のサークル活動であり、一つの厩舎がずっと勝つことはできない、だからそこを読んで馬券を買うというものが厩舎戦略である。確かにそんなこともあるように見える。だがこの方法も馬をみるのと同様、手間はかかる。馬を厩舎に置き換えているだけだからである。しかし有力な感じはする。



33.そして有料予想へ

 いろいろな理論をみてきたが結局のところ儲かるのか?という疑問はいまだ解決しない。そんな中情報の入手のしやすさ、的中度という観点からオッズ分析が比較的有効でないかなというのが今のところの結論である。このオッズ分析をつかってとりあえず予想で金をもらうことができるか?これにチャレンジしてみたいと思う。




「競馬は儲からないものである」




第二章 競馬を科学する 完





どもる

もどる